台風5号 12日に東北上陸か 記録的大雨に厳重警戒 きょう備えを

気象庁によりますと、台風が東北の太平洋側に上陸したのは、1951年に統計を取り始めて以降、
▽2016年8月に岩手県大船渡市付近に上陸した台風10号と、
▽2021年7月に宮城県石巻市付近に上陸した台風8号の2例です。

日本に近づく台風は、太平洋高気圧の縁をまわる風に沿って北上したあと偏西風の流れに乗って北東へ進むケースが多い一方、8年前の台風10号は、複雑な進路をとったあと岩手県に上陸しました。

この台風で岩手県久慈市では1時間に80ミリの猛烈な雨を観測するなど東北と北海道を中心に広い範囲で記録的な大雨となりました。

岩手県岩泉町では小本川が氾濫し、高齢者グループホームでお年寄り9人が死亡するなど、岩手県と北海道で死者・行方不明者はあわせて27人にのぼりました。

また、3年前の台風8号でも栃木県茂木町で1人が亡くなりました。

気象庁によりますと、台風5号の進路が西寄りに変わった要因は、日本のはるか東にある高気圧が北日本付近に張り出すタイミングがずれたことです。

この高気圧は、日本の上空を流れる偏西風が北に蛇行する影響で北日本付近に張り出しを強めると予想されていて、当初はその前に台風が北上していくとみられていました。

しかし、高気圧が先に張り出す見通しとなった結果、台風は進路を阻まれ、西寄りに進む予想に変わったということです。

気象庁は、最新の情報を確認するとともに、影響が出る前に早めに備えを進めるよう呼びかけています。

• 注目

今後の台風の見通しと備えについて、片山美紀 気象予報士の解説です。
※動画59秒 10日正午前の「気象情報」で放送しました。
　データ放送ではご覧になれません。

台風5号が東北に上陸するおそれがある中、7月の記録的な大雨であふれ、周辺に被害を出した秋田県内の川では、土砂がたまった川底をしゅんせつする工事が行われています。

7月の記録的な大雨で、湯沢市桑崎地区では集落を流れる小比内沢川があふれて護岸が崩れ、周囲の小屋などが水につかりました。

上流から流れてきた土砂や岩が川底に堆積したことから、川を管理する土地改良区では8月7日から応急のしゅんせつ作業を始めました。

本格的な作業は秋以降になるということで、地元町内会の佐々木利弘会長（73）は「台風も接近しているし、また大雨が降ったらと思うと怖いので、早く土砂や岩を取り除いてほしい。大雨になった場合には川に近づかないよう住民に呼びかけたい」と話していました。