新競技ブレイキン(ブレイクダンス)女子で金メダルを獲得した湯浅亜実(ダンサー名AMI)選手(25)。決勝では持ち味の流れるようなダンスを披露し、初代女王の座に就いた。満面の笑みで表彰台に立ち、仲間たちと抱き合って喜んだ。
湯浅選手は各国で開催される国際大会に出場するうち、海外選手が話す英語に興味が湧き、大学時代は文学部英米文学科で英語の発音を研究する「音声学」を学んだ。
駒沢大(東京都)3~4年の湯浅選手をゼミで指導した佐藤真二教授は「明るくてにこにこしていて、誰とでも屈託なく話せるタイプ」と評す。出国前か帰国したばかりかは分からなかったが、湯浅選手は教室に大きなスーツケースを持って来たこともあったという。「ブレイキンと学業を両立させ、忙しそうだった」と振り返る。
印象に残っているのは、ゼミで国や地域ごとの発音の違いについて発表した場面。湯浅選手は国際大会で各国の選手と会話する自身の様子を撮影した動画を流しながら、分かりやすく説明した。
「彼女の英語は高いレベル。ライバルでもあり、仲間でもあるいろいろな国の選手とコミュニケーションを取っていた」と佐藤教授。湯浅選手は、特にアジア選手が話す英語に関心を示し、卒業論文では「シンガポール英語」をテーマに据えたという。
パリ五輪出場が確定した直後、「やっと出場できるようになった。楽しみたい」と語っていた湯浅選手。佐藤教授は「ぜひ楽しんできて」とエールを送っていた。
ブレイキン女子決勝で演技する湯浅亜実(ダンサー名AMI)選手=9日、パリ
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