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 先週、都内でトライクと呼ばれる三輪バイクの事故があり、運転していた男性が死亡、一緒に乗っていた男の子が意識不明の重体となりました。トライクには、ヘルメットの着用義務がなく、2人はヘルメットを被っていませんでした。

■トライク 頻発する死亡事故

 三輪バイクのトライクとはどんな乗り物なのでしょうか?

 まず、道路交通法では、普通自動車として扱われるので、普通自動車免許で運転ができて、ヘルメットの着用義務もありません。

 一方、道路運送車両法では、イラストのバイクと同じ『側車付二輪自動車』または『側車付軽二輪自動車』として扱われるので、車より税金が安く、車庫証明も要りません。

 さらに、排気量の小さい『側車付軽二輪自動車』は、車検も要りません。

  なぜ、このような扱いになったのかですが、トライクはもともと、車のように車庫証明や車検が必要でした。

 しかし、海外メーカーが「販売を妨げる」として反発。

 1999年、当時の運輸省が、道路運送車両法のみ『側車付二輪自動車』とするよう取り扱いを変えたので、トライクは、車庫証明や車検が不要となりました。

■なぜヘルメット着用義務にならない?

 そんなトライクですが、死亡事故が度々起きています。

 4月19日に東京で、駐車していたトラックに追突。運転していた男性が死亡し、乗っていた小学生くらいの男児が意識不明の重体となりました。4月14日には福岡で、ガードレールに衝突し、乗っていた女性が亡くなっています。2017年には北海道で、カーブを曲がりきれずに、トライクから転落した女性が死亡。

 福岡の事故については詳細がわかっていませんが、他の2つの事故でトライクに乗っていた人は、ヘルメットを着用していませんでした。

 なぜ、こうした事故が起きているにもかかわらず、ヘルメットの着用が義務になっていないのでしょうか?

 交通問題に詳しい高山弁護士は、「行政は、二輪の自転車やバイクよりも三輪のトライクの方が安全とみて、危険性を見落としてきた。ヘルメット着用を義務付けなかったのは行政のミス。早急に法改正して、着用を義務付けるべき」だと話しています。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月22日放送分より) この記事の写真を見る(4枚)
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