薬物依存者の回復施設を運営するNPO法人「群馬ダルク」(群馬県高崎市)は、心理療法など約50種類の独自プログラムを導入し、利用者の支援に取り組んでいる。欧米で先進治療を学び、長期の利用者が多い日本の実情に合うようアレンジした。「一人一人に合わせた治療法で自らの依存症を理解してもらい、回復の後押しをしたい」と力を込める。 7月下旬、施設の一室に20~50代の男女15人がプログラムの一環で集まり、今の思いを語り合った。20代男性が「調子が悪いと、誰にも言えず悩みをためこむ」と話すと、うなずいて耳を傾ける利用者もいた。救いの手を振り払った経験を語る利用者もいて、施設長の福島ショーンさん(55)は「助けを求めずに拒絶するのは、回復を阻む危険な兆候だ」と伝えた。 群馬ダルクは、入所型施設として古い日本家屋を2棟借りて2006年に開設した。これまでに約50人が集団生活を通じて依存症から回復したとして施設を退所した。現在は約40人が暮らす。
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