米グーグルがサービスとして提供するブログに、自身や社長を務める会社が絡む過去の犯罪に関する記事が残り、名誉権を侵害されたとして、名古屋市の原告が投稿記事の削除を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は8日、グーグルに削除するよう命じた。執行猶予期間が経過しており、閲覧した関係者が取引を回避する事態が想定されるとした。

原告は2014年、会社の業務に関して出資法(預かり金禁止)違反罪で懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受け、確定した。13年の記事では、元本保証と高配当を約束して資金調達していたことについて「詐欺の可能性が高い」などと言及。氏名を検索すると記事が表示され、取引を断られるなど事業に著しい損害を与えるおそれがあると主張した。

作田寛之裁判長は判決理由で、記事を「社会的評価を低下させるもの」と認定した上で、有罪判決を受けた時点では公正な論評だったと指摘。ただ執行猶予期間が経過し、掲載を正当化するのに十分な公衆の関心事ではなくなっているなどとして、削除が認められるべきだと判断した。〔共同〕

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。