厚生労働省が発表した1人の女性が生涯に産む見込みの子の数を示す合計特殊出生率で、京都市東山区が市区町村別で0・76と全国最低になった。ワースト3位は上京区の0・80、4位は下京区の0・82だった。市の担当者は「こういう形で市内の行政区が注目されるのは残念」と肩を落とす。

 19日に市区町村別の統計(2018~22年)が公表された。東山区は前回(13~17年)、0・93でワースト5位だったが、さらに落ち込んだ。今回の京都市全体は1・13で、大阪市(1・16)や神戸市(1・25)、大津市(1・43)よりも低かった。

 京都市内中心部の出生率がワースト上位に並んだ理由について、市の担当者は「分析はこれから」としつつ、若い単身世帯が多いことを挙げる。京都市は大学や短大が集積し、人口の1割を学生が占める。合計特殊出生率は15~49歳の女性の年齢別出生率を合計したものであるため、単身の若い女性が多い都市部は低く出るとする。

 家賃の高騰などで、子育て世代が流出しているという背景もある。総務省の昨年1月時点の調査では、京都市の25~39歳の人口は前年比で2259人減っている。大津市をはじめとした近隣府県などへの転出超過が続いており、京都市は空き家を活用して移住促進を図るなど、対策を進めている。市の担当者は「(出生率を上げるには)子育て支援が大切だ。改めて力を入れていきたい」と話した。(武井風花)

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