大相撲の中村親方(元関脇・嘉風)が2019年、出身地の大分県佐伯市をPRするために渓流下りをして大けがをしたとして、市などに計約4億8千万円の損害賠償を求めた訴訟で、市と中村親方が和解する見通しとなった。市議会が5日、和解金1650万円を支払う議案を賛成多数で可決した。

 中村親方は19年6月、市が誘致した合宿に参加。市内の渓谷でキャニオニング(渓流下り)を体験した際、右ひざに大けがを負い、同年9月に現役を引退した。20年に「市のPRのために渓流下りをして事故につながった」として、同市とツアー事業者を相手取り、東京地裁に提訴した。市側は当初、「合宿は誘致したが、キャニオニングは市のPRのためではない」などと反論していた。

 可決した議案によると、和解金は市が1650万円、ツアー事業者が3350万円。治療費や慰謝料、想定される引退時までの休業損害などが含まれている。(神崎卓征)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。