広島は6日、米国による原爆投下から79年を迎えました。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエル・パレスチナ情勢など核が使われる懸念が世界に影を落としているなか、平和を願い、鎮魂の祈りを捧げる人びとの動きを速報します。
インタビュー連載「被爆国から」
核兵器が使用される懸念が世界に影を落とす中、日本は「被爆国」として何ができるのか。核兵器廃絶や平和についての思いを各界の人に聞きます。
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■■■8月6日■■■
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原爆ドーム前で、自作の句歌集配る
原爆ドームの前で、自作の句歌集を配る男性がいた。近くの「基町アパート」で暮らす中岡忠司さん(46)。祖母から被爆体験を聞いたことがきっかけで、平和や原爆などをテーマにした短歌や俳句を詠み始めた。
24歳のときに被爆した祖母は、晩年になって中岡さんに体験を語り始め、11年前に亡くなった。以来、中岡さんは原爆ドーム前で句歌集を配っている。「直接話を聞くことができた祖母が亡くなり、語り継がなければならないと思った」
00:00
地球平和監視時計の日数「28855」に
被爆から79年の8月6日を迎え、広島平和記念資料館(広島市中区)にある「地球平和監視時計」の日数が切り替わった。「広島への原爆投下からの日数」は「28855」を表示。「最後の核実験からの日数」は、今年5月に米国が臨界前核実験を行ったため、「84」となった。
■■■8月5日■■■
19:00
原爆ドームそば 鎮魂のかがり火
広島市の原爆ドーム脇を流れる元安川で、原爆の犠牲者への鎮魂のかがり火がともされた。かがり火はいかだの上に設置され、被爆から79年となる「原爆の日」の前夜、原爆ドーム周辺を幻想的な光で照らした。
19:00
核兵器とジェンダー議論 女性議員ら登壇
核兵器をめぐる問題をジェンダーの視点から議論する会が、平和記念公園近くのカフェ「ハチドリ舎」であった。核廃絶とジェンダー平等をめざす学生団体「GeNuine(ジェヌイン)」のメンバーが、女性国会議員らと登壇した。
GeNuine共同代表で一橋大学大学院1年の徳田悠希さん(22)は、上川陽子外相が紛争の予防や復興に女性の視点を取り入れる政策に力を入れているとして、「核軍縮も今がチャンス」と話した。
広島県福山市出身で被爆2世の塩村文夏参院議員(立憲民主)は、被爆による健康被害に性差がみられるとする研究に言及。「まだあまり注目されていない。もっと発信していく必要がある」と呼びかけた。
18:00
核廃絶へ日本の役割は 与野党議員が討論
「広島原爆の日」を前に、与野党の代表らが広島市に集い、核兵器廃絶に向けた日本の役割を討論した。
9政党の国会議員が出席した。野党からは、日本が署名・批准していない「核兵器禁止条約」について、少なくとも来年3月に予定されている締約国会議にオブザーバー参加すべきだという意見が相次いだ。公明党の山口那津男参院議員も「唯一の戦争被爆国としてオブザーバー参加すべきだ」と述べた。
自民党の猪口邦子参院議員は「日本政府は(核保有国と非保有国)の橋渡しをしたいという考えで、核軍縮に関する賢人会議をずっと主催してきた」と強調した。
15:00
「強まる核兵器への依存」指摘
各国の核軍縮義務の履行状況を確認し、行動を促す広島県の政策提言「ひろしまウォッチ」を、藤原帰一・東京大名誉教授らが日本外国特派員協会で発表した。広島県が毎年まとめている「ひろしまレポート」をもとに今回初めて作成し、193の国連加盟国すべてに送付する。
「ひろしまウォッチ」は「強まる核兵器への依存」「核兵器の増加」「核実験再開の可能性」という三つの後退を指摘。「公約を守らない政府の責任を追及し、より安全な未来のための具体的な行動を促していく」としている。
10:30
朝鮮半島出身者の慰霊祭で核廃絶訴え
広島市の広島平和記念公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の前で、朝鮮半島出身の犠牲者を追悼する慰霊祭があった。
在日本大韓民国民団広島県地方本部の金基成(キムギソン)団長は「核を保有する国の抑止力に頼ることでは、平和と未来は訪れません」と核兵器廃絶を訴えた。韓国・在外同胞庁長の李相徳(イサンドク)氏は「韓国政府は広島の同胞が受けた痛みを忘れません。二度と原爆という惨事が繰り返されぬよう、最善を尽くすことを誓います」と追悼の言葉を述べた。
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