面倒くさいことなどを理由に、入ることをやめてしまう“風呂キャンセル界隈”。「お風呂に入るの嫌すぎ」という投稿が共感を呼び、Xでトレンド入りするなど話題となった。
【映像】「きれいに見えるよね?」アイドルが“4日風呂に入ってない”髪を披露
ある調査によると、入浴を面倒に感じたことがある人は7割。特に髪を洗ったり、乾かしたりするのが面倒くさいと思う人が多く、女性に多いという傾向も。中には、入らない方が体に良い、きれいになるといった都市伝説めいた説もある。
入浴を面倒に思う心理、またそれを乗り越えるためには。『ABEMA Prime』で当事者のアイドルに話を聞くとともに、脳科学者を交え考えた。
■“風呂キャンセル4日目”で出演のアイドル「とにかくドライヤーが面倒くさい」
アイドルグループ「にっぽんワチャチャ」の鈴木Mob.は、小学生の時から風呂キャンセル勢だという。この日も風呂に入らず4日目での出演。「入るメリットがあまりない」と話す。「お風呂やシャワーには、スッキリするぐらいしかメリットがない。入らないほうが、体力を使わない、自然にやさしい、時間を捻出して他の有意義なことに使える。だから、メリットが多い」
鈴木Mob.によると入浴するには、髪を2回洗う→コンディショナー→体を洗う→クレンジング・顔を洗う→入浴。お風呂を出た後は、全身をバスタオルで拭く→顔を化粧水・乳液で保湿→全身をローションやクリームで保湿→ストレッチ→ドライヤーと続く。全部で1時間程度だという。「シャワーを浴びたり、ドライヤーで髪を乾かす体力などを想像すると、お風呂までが遠く感じる。ごはんはUber Eatsなどで頼めばすぐ食べられるが、お風呂はドライヤーという強敵が待っている」
一方で、他人に迷惑をかけてはいけないという考えもある。「“香り”を抑えるために、石鹸の香りがする香水を何個か準備しておく。ただ、ボディーシートで身体は拭くし、洗顔も毎日している。フケが落ちないよう、頭を触らない・掻かないということも習慣づけている」と明かす。例外は、ライブの前日で「必ず入る」という。また、「売れて毎日仕事が入れば解決する」とも語った。
■“めんどうくさい”、脳はどういう状態?
“風呂キャンセル界隈”について、脳科学者で立命館大院教授の枝川義邦氏は「日本の文化風土として、毎日お風呂に入ることが当たり前のような考えがあり、“入らない=ちょっと悪いこと”という意識があった。そんな中、SNSで『お風呂に入ってない』という声があがり、“私もそうなんだ”とカミングアウトする快感や安心感から、みんなが手をあげて盛り上がってきた構図だと思う」との見方を示す。皮膚科専門医の圓山尚氏によると、風呂に入らないことのメリットは、洗いすぎによる肌荒れを防ぐこと。デメリットは、シンプルに不潔、汗を流さないことでにおいの原因になる、雑菌が増えて病気の原因になることなどだという。
一方でハードルとなるのが、鈴木Mob.もあげた「面倒くさい」という点。そう感じる脳の状態として、枝川氏は「脳はメモリーを使って情報を処理するが、やはり制限がある。節約のため“サボりたい”“できるだけ力を抜きたい”という働き方をすると、慣れていないことや複雑なことは面倒くさく感じる。例えば、スマホの使いすぎなどは、始終情報を送り込んでいる状態だ。この状態だと脳は疲労しやすく、面倒くさい・嫌だなという気持ちにつながる」と説明する。行動を変えるためには、「その先のメリット」が大事だという。「病気になる・ならない、においなどのメリットがわかっていないと行動しづらい。例えば、よく温まった後は睡眠の質が高まるとされ、お肌にも良かったりする」。それでも、風呂が遠く感じる場合には、「“えいや”で立ち上がるだけでも効果がある。ソファーやベッドでごろごろしている時、“立ち上がるだけ”と決めて立ってみる。そこからお風呂ではなくとも、お皿を洗ったり掃除をしたりといったスイッチが入るかもしれない」と勧めた。(『ABEMA Prime』より)
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