意識もうろうのまま運転し小学4年の男の子をはねて死亡させ、過失運転致死の罪に問われている男に、禁錮2年6ヶ月の実刑判決が言い渡されました。

札幌市豊平区での事故と裁判

 「私たち家族は事故が起きる前の日から全て時計は止まってる」(西田倖くんの父親)

 札幌市豊平区の花田光夫被告(64)は、5月にワンボックスカーを運転中、青信号で横断歩道を渡っていた西田倖くん(当時9)をはねて死亡させた過失運転致死の罪に問われています。

 花田被告は初公判で、糖尿病治療のインスリンを注射後、食事を取らず、低血糖で意識もうろうのまま車を運転していたことを認めています。

検察と弁護側の主張

 検察側は禁錮4年を求刑し、弁護側は執行猶予を求めていました。

 8月2日、札幌地裁の加島一十裁判官は「意識障害に陥る可能性がありながら危険を軽視した身勝手な犯行で過失は重大だ」として、花田被告に対し禁錮2年6ヶ月の実刑判決を言い渡しました。

被害者家族の思い

 この裁判には被害者参加制度により、初公判から西田倖くんの父親が参加していました。

 裁判の冒頭で罪を認めた花田被告。

 父親はその言葉に衝撃を受けたといいます。

 「記憶にないが現場検証の感じでは間違いないと思う」(花田被告)

 「冒頭の『記憶にない』という言葉を聞いてから、ちょっと感情を抑えきれなくなった。自分が選択して食事を取らずに超速効型インスリンを接種した。自身の責任なんだっていうところに向き合ってない」(西田倖くんの父親)

 そして、8月2日。

 「判決が言い渡されるのを前に西田倖くんの父親が前を見据えながら裁判所に入っていきます」(鎌田祐輔記者)

 言い渡された禁固2年6ヶ月の実刑判決に。

 「予測できた防げた事件だったと裁判官に評価されたのは一定の希望が満たされた。生涯を通じて息子に謝り続けてほしい」(西田倖くんの父親)

 事故から2か月半。

 いまだ倖くんの遺骨は自宅に残されたまま。

 父親の願いは2度と悲惨な事故が起きない事です。

 「ドライバーはいつ誰かを傷つけてしまうかもしれないと思うのが大事。歩行者も青信号渡っててもこういう事故が起きてしまう。各家庭で気をつけていただくような機会になれば事故が起きる確率は減らせると思う」(西田倖くんの父親)

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