火災の被害を受けた「輪島朝市」(1月、石川県輪島市)

警察庁は1日、1月に発生した能登半島地震での活動を踏まえ、大規模災害への対応力強化に向けた対策をまとめた。災害時のSNS上の悪質なデマは人命救助や復旧活動に深刻な影響を及ぼす恐れがあり、事業者への削除要請を強化する。具体的な手順を8月末をめどにまとめ、各都道府県警に周知する。

警察庁は4月、警備運用部長をトップとするワーキンググループを設け、能登半島地震で浮上した課題の対応策を議論してきた。

能登半島地震ではSNS上に虚偽内容の投稿が相次いだ。石川県警は7月、X(旧ツイッター)で被災者を装い虚偽の救助要請を投稿し、県警に捜索活動をさせ業務を妨害したとして、埼玉県八潮市の会社員の男を偽計業務妨害容疑で逮捕した。

SNSは災害時に情報発信ツールとなる一方、デマへの対応が課題となっている。警察庁は偽情報対策を救助や復旧と並ぶ重要な任務の一つと位置づけた。SNS事業者に対して問題がある投稿の削除を強く働きかけ、ユーザーにも広く注意喚起するとした。

一方、能登半島地震では道路に亀裂や陥没が発生し、初動に支障が出た。これを受け、悪路走行が可能なバン型四輪駆動車や、空輸もできる小型チェーンソーなどの導入も対策に盛り込んだ。警察庁は関連経費を2025年度予算の概算要求に反映させる。

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