エッフェル塔などの視察や不倫が問題となった広瀬めぐみ参院議員。秘書給与詐取容疑で、自宅などの家宅捜索が行われた。
■自民党ベテラン議員「本当に余計なことをされた」
自民党を離党した 広瀬めぐみ参院議員「また、しっかりと説明させていただきます」
東京地検特捜部は、30日に自民党を離党した広瀬めぐみ参議院議員の事務所などを、国から秘書給与をだまし取った疑いで家宅捜索した。
広瀬議員は2年前、参議院選挙で初当選。小沢一郎氏の牙城・岩手県で自民党が30年ぶりに手にした勝利だった。
しかし去年、フランス・パリへの視察が、まるで観光旅行のようだと批判を浴びた。さらに今年3月には、カナダ人男性と不倫関係にあると報じられた件で、謝罪に追い込まれた。
自民党 広瀬めぐみ議員「相手の方との関係については、報道されている通り事実でございます。深くおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
あれから4カ月。東京地検特捜部が30日、強制捜査に乗り出したのが秘書給与を巡る疑いだ。
広瀬議員はおととしから去年にかけて、公設第一秘書を務める男性の妻を公設第二秘書として届け出ていたという。公設秘書の給与は、国が集めた税金から支払われる。しかし、関係者によると、公設第二秘書には勤務の実態がなく、国が支給した数百万円を広瀬議員がだまし取った疑いがあるという。
広瀬議員は、最初に疑惑が報じられた3月に公式ホームページで、「第二秘書は岩手県遠野市でリモートワークをするなど、勤務実態はあった」と強調していた。しかし自民党内からは、こんな声が上がっている。
自民党 ベテラン議員「今回の件も間違いなく、自民党にとってイメージダウン。ただでさえ選挙が厳しいという中で、本当に余計なことをされた」 自民党 中堅議員
「どうしようもない議員が増えた。(岸田政権の)支持率も上がり気味になってきて、オリンピックで何となく、明るく前向きな雰囲気になりかけていたのに水をさすようなものだ」
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■このタイミングで…家宅捜索に踏み切った理由■このタイミングで…家宅捜索に踏み切った理由
今年3月、広瀬参院議員は週刊誌で勤務実態のない秘書「幽霊秘書」が報じられた。これが報じられた4日後、自身のブログで「事実無根」と否定していたが、4カ月が経った30日に家宅捜索を受けた。このタイミングで家宅捜索が行われたことについて、元東京地検特捜部副部長で元衆院議員の若狭勝弁護士は「疑惑報道があって以来、検察は起訴できるように慎重に裏付けを進めてきた。政治家本人を起訴できるメドがついたので、家宅捜索に踏み切ったと考えていい」として、広瀬議員が起訴されるのはほぼ間違いないだろうとの見通しを示している。
そもそも国会議員の公設秘書とは国会議員が国会法によって雇用できるもので、給与は公費、つまり税金でまかなわれている。公設第一秘書、公設第二秘書、政策秘書があり、第一秘書と第二秘書は特に資格は必要ない。
そして、この議員秘書の給与詐取の事件は過去にもあった。2003年には当時衆院議員の坂井隆憲氏と辻元清美氏、2004年には佐藤観樹氏が捜査を受けている。
こうした事件もあり、国会議員秘書給与法が改正され、公設秘書の給与は国から本人に直接支給されるようになった。
若狭弁護士は、今後、こういった事件をなくすためには「3カ月・半年など、定期的に秘書から国に勤務実態の報告をさせることなどもあるだろう」と言うが、これについては「手間が増えるだけ」と指摘している。さらに「勤務実態の有無など周辺から発覚しやすい。そして政治資金規正法違反と違い、今回の容疑は刑法上の犯罪なのでかなり悪質」と、弁護士でもある広瀬議員に苦言を呈している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年7月31日放送分より)
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