滋賀県立玉川高校(草津市)でのいじめが原因で不登校になり退学に追い込まれたとして、元生徒の男性(22)が、県と元同級生1人に計600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、大津地裁であった。地裁は男性の請求を棄却した。

 判決などによると、元生徒の男性は2017年4月に玉川高校に入学し空手道部に入った。同5月、空手道部の先輩らが男性になりすまし、男性のスマホからクラスのLINEグループに「今日から俺に全員服従な?」「おまえさ、あんま調子のんなよ」などと投稿した。

 空手道部では、同級生にカバンの中にゴミを入れられたり、自転車のサドルの前後を逆さにされたりした。男性は6月から欠席がちになり、11月に退学した。

 原告の男性は、学校側は母親からいじめの申告を受けたにもかかわらず、事実関係の調査を怠ったと主張。いじめを放置して男性の不登校を招き、転学を勧めて退学させたと訴えていた。

 池田聡介裁判長は「原告と原告の母からクラスにおいて具体的にいじめに遭っているとの申告が(学校側に)あったとは認められない」と指摘。空手道部でのゴミ入れなどについては「教諭が同級生に指導を行った」として、高校側に違法な対応はなかったと判断した。(鈴木洋和)

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