千葉県市川市が発注した下水道関連工事の予定価格などを漏洩(ろうえい)する見返りに、飲食の接待を受けたとして、千葉県警は30日、同市下水道部次長の八田一生容疑者(59)=松戸市小金原4丁目=を収賄と官製談合防止法違反の疑いで逮捕。贈賄側の武内建設(市川市)の代表取締役、武内剛容疑者(59)=船橋市古作3丁目=を贈賄などの疑いで逮捕した。

 八田容疑者は「多数回飲食接待を受けたのは間違いない」。武内容疑者は「何度も飲食接待をした」といずれも容疑を認めているという。

 捜査2課によると、八田容疑者は2022年12月~24年4月、市川市発注の下水道関連工事の一般競争入札で、武内建設に有利な取り計らいをした見返りとして、松戸市内や都内の飲食店で計36回、総額約25万円分の飲食接待を受けた疑い。武内容疑者は八田容疑者を接待した疑いがある。

 八田容疑者は23年8月と10月に開札された市川市の下水道関連工事の入札で、武内容疑者に予定価格を教えるなどし、入札の公正を害した疑い。

 八田容疑者は20年に市下水道部の前身部署で部次長となり、23年から下水道部次長として同部発注の入札の予定価格などを知りうる立場にあった。武内容疑者は八田容疑者から部内資料も提供を受けていたという。県警は30日、市川署に捜査本部を設置し、捜査2課と近隣6署の75人体制で捜査する。

 幹部の逮捕を受け、田中甲市長は「逮捕されたことは極めて遺憾であり、納税者である市民の皆様に心よりおわびを申し上げる。今後は、警察による捜査の推移を確認しつつ、事実関係が明らかとなった際には第三者機関のコンプライアンス委員会議を設置して厳正に対処する」とコメントを出した。(熊谷姿慧、鈴木逸弘)

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