ことし3月、アメリカで、拒絶反応が起きないよう遺伝子操作をしたブタの腎臓を62歳の重い腎臓病の男性に移植する、脳死状態の患者以外では世界で初めての手術が行われ、その後、患者は死亡しましたが、移植が原因ではないとみられています。
この手術で執刀を担当したアメリカ マサチューセッツ総合病院の河合達郎医師が30日、川崎市で会見を開きました。
この中で河合医師は、アメリカでの手術について「ブタの腎臓は移植した直後から尿を出すことができていて非常に人間に近い印象だった。異種移植は一般的な医療になる可能性があると感じた」と話しました。
ブタの臓器をヒトに移植する「異種移植」は、移植のための臓器の不足を背景に注目されていて、国内でも研究が進められているもののまだヒトへの移植は行われていません。
これについて河合医師は「先行しているアメリカのチームとコラボレーションすれば、日本でも短期間でヒトへの移植に到達できるのではないか。異種移植は、臓器移植の件数が少ない日本でこそ重要で、研究が進むよう社会的なサポートもお願いしたい」と話し、日本でも研究を加速させる必要があるという認識を示しました。
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