厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、年金や医療、福祉にかかった2022年度の社会保障給付費の総額は前年度比0・7%減の137兆8337億円だったと発表した。集計を始めた1950年度以来、初の減少。高齢化による膨張傾向は変わらないものの、新型コロナウイルス対策費の縮小が総額を押し下げた。  社会保障給付費は、国民が利用した年金や医療、介護、子育て支援などに充てられた金額。税金や保険料で賄われ、利用者の自己負担額は含まれていない。1人当たりの給付費は110万3100円で前年度比2400円減った。  分野別は、年金の55兆7908億円が全体の40・5%を占めた。次いで医療が48兆7511億円(35・4%)。介護や子育て支援、雇用対策を含む「福祉その他」は33兆2918億円(24・2%)で、うち介護は11兆2912億円だった。  前年度増減を見ると、年金は横ばい。医療は1兆3306億円増えた。一方、子育て世帯向け現金給付や、雇用調整助成金特例措置などが縮小、福祉その他が2兆2251億円減った。


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