これは30日、岩手県矢巾町にある岩手医科大学付属病院が会見を開き、明らかにしました。
それによりますと、去年10月、「13トリソミー」という先天的な染色体異常で重度の心身の障害のある19歳の男性の入院患者に対し、本来、医師や看護師がのどに開けた気管孔と呼ばれる穴からたんを吸引すべきところを怠り、男性は窒息して死亡したということです。
病院はことし1月、外部の専門家などでつくる調査委員会を設置し、事故の要因を詳しく調べてきました。
その結果、男性は血中の酸素飽和度が低下し、心拍数の異常を知らせるアラームが繰り返し鳴っていたにもかかわらず、結果として医師も看護師も対応しなかったということです。
患者の状態を知らせるアラームが多数鳴ることはよくあり、すぐに消していたことが事故の背景にあったとしています。
そのため、再発防止策として、患者の病態を確実に把握し対応するシステムを構築し運用すること、アラームへの適切な対応の徹底、看護体制の見直しなどに取り組むとしています。
岩手医科大学付属病院の小笠原邦昭病院長は「ご遺族に心より深くおわび申し上げます。二度と起こさないため、この事故を風化させないように取り組んでいく」と話していました。
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