全国に86校ある国立大の課題や今後の在り方を議論する文部科学省の検討会が30日、初会合を開いた。2004年の法人化以降、国からの交付金減などで財政状況が悪化し、研究力低下も指摘される中、大学の機能強化に向けた具体的方策を議論。財源確保に向け、授業料値上げも今後のテーマとなる見通しだ。
国立大は、競争原理の導入などを目的に04年4月に法人化された。以降、国が規模に応じて配分する「運営費交付金」が人件費などの基盤的経費となっているが、国の財政難などを理由に縮小が続き、24年度は総額1兆784億円と04年度に比べ13%減少。物価高騰もあり財務状況は厳しい。
文科省は初会合で、外部資金獲得などで事業規模が広がった大学がある一方、教員養成系大学を中心に教育や研究の経費が縮小傾向にあるとの観点を示し、各校の特徴を踏まえた議論を求めた。付属病院を持つ大学で収入よりも診療経費が膨らむケースがあることも経営上の注意点だとした。
検討会は年内にも論点を整理する。関係者によると、授業料引き上げなども検討される見込み。
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