日本各地に残る昔話「桃太郎」ゆかりの地。高松市には、鬼退治が地名の由来とされる「鬼無地区」と、瀬戸内海に浮かぶ女木島の「鬼ケ島大洞窟」があり、住民が伝説を語り継いできた。来年4月には愛好家らが毎年集う「桃太郎サミット」が同市で開かれ、鬼無協同自治会の花沢利男会長(76)は「次世代へつなぎたい」と意気込んでいる。(共同通信=吉田梨乃)
桃太郎ゆかりの地を研究し、サミットを主催する「日本桃太郎会連合会」は、高松市を岡山県、愛知県犬山市と並ぶ三大伝説地の一つとする。
花沢さんらによると、香川県の小学校教諭だった故橋本仙太郎氏が1930年、桃太郎伝説は女木島に住む海賊を孝霊天皇の皇子が征伐したという伝説が起源だと新聞に発表した。平安時代に讃岐国(香川県)に赴任した菅原道真が地元の漁師から聞き取った話で、キジは今の鬼無地区の住民を指すという。
鬼無地区には、鬼が埋められたという「鬼ケ塚」や、おばあさんが洗濯に出かけたとされる本津川といった伝説ゆかりの地名などが今も数多く存在する。
住民らは40年以上前から、桃太郎や鬼に扮して練り歩く「鬼無桃太郎まつり」を開催。伝説から名付けられた「桃太郎神社」も協同自治会が管理し、伝説を町おこしに生かす。「昔は町から女木島がよく見えた。桃太郎がここから戦いに行ったと想像できる」と花沢さん。
女木島の鬼ケ島大洞窟は総面積4千平方メートルで、鬼の像や鬼大将の部屋などがある。島のPRを担う鬼ケ島観光協会の頼富信輔さん(78)は「サミットを機に全国から『鬼ケ島』にも来てほしい」と期待を寄せた。
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