斜里町役場に献花台が設けられる
海上保安本部が知床半島沿岸部で捜索
釧路航空基地のヘリコプターも捜索に参加
林官房長官「対策は着実に進められている」
地元の斜里町役場に設けられている献花台には、午前中から犠牲者を悼む人が訪れ花を手向けています。地元の斜里町役場には事故直後から献花台が設けられていて、事故から2年を迎えたきょうも、犠牲者を悼んで花を手向ける人の姿が見られました。去年に続き、4月23日に献花台を訪れたという町内の40代の女性は「まだ見つかっていない人がいるので、『何か少しでも手がかりが見つかるといいな』という気持ちで献花しました。この日がくると事故のことを思い出して胸が苦しいです」と話していました。町によりますと、事故以降、町に寄せられた献花は、22日までに2594組にのぼっているということです。斜里町役場での献花の受け付けは23日、午後5時半で終了し、24日からは役場のウトロ支所で受け付けるということです。
北海道の知床半島沖で観光船が沈没した事故から2年となる23日、海上保安本部は22日に引き続いて半島の沿岸部で捜索を行い、行方が分かっていない6人の手がかりを捜しています。沈没現場に近い半島先端の沿岸部では冬の間、捜索が中断されていましたが、第1管区海上保安本部はきのうから捜索を再開していました。23日は、海上保安本部の機動救難士や潜水士などおよそ10人が半島の西側と東側に分かれて捜索にあたり、ヘリコプターも上空から支援することにしています。これまでのところ、半島の西側では悪天候のため捜索を開始できていませんが、東側では潜水士が浅瀬に潜ったり岩陰を確認したりして行方不明者の手がかりを捜しているということです。第1管区海上保安本部によりますと、午前11時半現在、新たな手がかりの情報は入っていないということです。捜索は天候を見ながら日没ごろまで続けられ、24日も行われる予定です。
行方が分からなくなった6人の海上保安庁による捜索には23日、釧路航空基地のヘリコプターも参加しました。釧路航空基地では午前9時すぎ、ヘリコプター1機にクルー5人と海面からの吊り上げや潜水での救助活動などを専門的に行う機動救難士2人が乗り込み、知床半島に向かって飛び立ちました。ヘリコプターによる捜索は午前と午後の2回、およそ1時間ずつ行われます。当初は2機で捜索する予定でしたが、現場の天候が悪いため午前中は1機に変更されました。釧路航空基地では沈没事故で現場到着に時間を要したことなどを受けて、▽2023年4月に機動救難士9人を新たに配置したほか、▽2024年3月には配備されているヘリコプターを1機、増やすなどして態勢の強化を進めてきました。ヘリコプターによる捜索は24日も行われる予定です。
林官房長官は、閣議のあとの記者会見で「事故を受けた旅客船の安全・安心対策は、船舶運航事業者への抜き打ち監査など可能なものから順次、速やかに実施している。また改正海上運送法で、今月1日から旅客不定期航路事業に関する許可更新制度が導入されるなど対策は着実に進められている。痛ましい事故が2度と起こることがないよう引き続き、政府としてしっかり取り組んでいく」と述べました。
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