メディアへの信頼低下が指摘される中、ジャーナリズムの役割や価値を守るために何ができるかを議論する国際会議が27日、早稲田大(東京)で開かれた。タックスヘイブン(租税回避地)の実態を暴露した「パナマ文書」報道に携わったジャーナリストのシッラ・アレッチ氏が講演し、「ジャーナリズムに危機感を持たれているが、厳しい時こそニュースの消費者は質の高い情報源を求める」と話した。
アレッチ氏は国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の日本担当チームの一人としてパナマ文書を報道。以前は通信社の記者だったが、「一つの話題にフォーカスを当ててゆっくり取材したい」と調査報道の専門記者に転じた。
アレッチ氏はパナマ文書を念頭に「公共性が高く、多くの国に影響がある話題」を選び、国境を超えてジャーナリストが連携する調査報道の重要性を強調。2016年のパナマ文書報道後は「主に欧米で調査報道を専門とする非営利団体が増え、そうした団体が協力し、伝統的な既存メディアの報道の穴を埋めている」と紹介した。
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