茨城県は26日、救急車で大病院に搬送されても緊急性が認められない場合、病院が患者から7700円以上を徴収する方針を明らかにした。12月1日から運用する。軽症者が安易に救急車を利用するのを減らし、病院側の負担を軽くする狙いだ。県によると、都道府県単位では全国初という。
大井川和彦知事が同日の会見で発表した。
初診時にかかりつけ医の紹介状を持たず、200床以上の大病院を受診すると、患者は追加で7700円以上の「選定療養費」を負担する。しかしこれまでは救急車で搬送された場合、緊急性の有無にかかわらず徴収の対象外になっていた。
県は選定療養費の運用を見直す理由について、緊急性が低いのに救急車を利用する事例があることや、医師の働き方改革で診療体制を縮小する医療現場の負担が懸念されるとした。県内の23病院が対象で、12月までに統一した基準を作る。
県の調査によると、救急搬送者の6割以上が25の大病院に集中し、そのうちの半数近くは軽症者という。大井川知事は「救急車が無料のタクシー化している。一分一秒を争う重症者のために救急搬送のリソースがとられているのは非常に大きな問題だ」と話した。
県は救急車を呼ぶべきか判断を迷ったときは、電話相談の利用を呼びかけている。15歳以上は「#7119」、15歳未満は「#8000」へ。(富永鈴香)
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