総務省が12日に発表した2023年10月1日時点の人口推計で、埼玉県の人口は前年同期比0・08%減の約733万1千人だった。減少は3年連続だが、減少幅は全国で3番目に低かった。一方で、75歳以上の人口増加率は4・7%で全国で最も高かった。

 県外からの転入者が転出者を上回り、「社会増減」は前年比0・47%増だった。増加幅は前回より0・05ポイント拡大し、増加率は東京に次いで全国2位だった。出生者より死亡者が上回った結果、「自然増減」は前年比0・55%減。マイナス幅が0・08ポイント拡大し、人口減少の主な要因となった。

 第1次ベビーブームの1947~49年に生まれた「団塊の世代」が2022年から75歳を迎え、高齢化も加速している。県内の65歳以上の人口は約201万2千人で前年比0・2%増で、人口に占める割合は27・4%。うち75歳以上の人口は約111万6千人だった。一方で、15歳未満は83万1千人で前年より1・9%減った。

 県内の総人口のうち、日本人は711万3千人と前年より0・32%減った一方で、外国人は21万8千人で8・4%増えた。

 県などによると、さいたま市や川口市など東京都のオフィスなどに通いやすい場所では多くのマンションが建設されている。県の担当者は「マンション価格の上昇が続く中、都内と比べ価格がまだ安い埼玉に人口が流入し、減少幅も小さくなったと考えられる」と話す。75歳以上の高齢者の増加率が高かったことについて、「かつて地方から東京に就職し、広い土地などを求めて移り住んできた団塊世代の人々が埼玉に多いことが大きな要因ではないか」と話した。(黒田壮吉)

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