住宅メーカーで営業職だった20代前半の男性が2020年に自殺したのは、顧客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」などが原因だったとして、柏労働基準監督署(千葉県柏市)が労災認定していたことが23日、会社側への取材で分かった。厚生労働省は昨年9月に認定基準を改正し、カスハラを被害類型に加えていた。

ポラス(埼玉県越谷市)によると、男性は19年に入社。関連会社で注文住宅販売の営業を担当し、千葉県内の住宅展示場で勤務していたが、20年8月に社員寮の自室から飛び降り死亡。両親が22年に労災申請し、昨年10月に認定された。

住宅を新築中の男性顧客に追加費用が必要になったと説明したことがきっかけで、叱責を受けるようになった。休日に電話に出なかったことを怒られたり、下請け業者が汚した隣地の外壁を清掃させられたりした。

取引先業者の路上駐車を巡り強い口調で苦情を申し立てられ、携帯電話に「そんなんじゃ銭なんか払えねえぞ」などと顧客から責められる様子が音声記録で残っていた。

労基署は、認定基準の「顧客らから著しい迷惑行為を受けた」などに当たり、強い心理的負荷がかかったと判断したという。

ポラスは「認定を真摯に受け止める」としており、再発防止のためカスハラ相談窓口の拡充や、外部機関と連携した心のケアに取り組んでいるとしている。〔共同〕

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