皇后雅子さまは23日、皇居内の紅葉山御養蚕所で「御養蚕納(ごようさんおさめ)の儀」に臨んだ。皇室の養蚕は明治以降、歴代の皇后が受け継いできたもので、皇后さまは今年の養蚕を無事終えられたことを感謝すると共に、感慨深く思っている様子だったという。純国産種「小石丸」の繭は約30キロが伊勢神宮に贈られ、2033年の式年遷宮のために新調する絹織物に使われるという。
宮内庁によると、この日の儀式では小石丸のほか、白繭、黄繭の生糸20束ずつが御養蚕所内の神前に供えられた。皇后さまは、自らが育てたカイコの繭からつむがれた、美しくつややかな生糸を見て、歴代皇后が大切に引き継いできた養蚕を今年も無事に終えられたことに感謝している様子だったといい、作業を手助けした職員に感謝とねぎらいの気持ちを伝えたという。
今年は5月10日に「御養蚕始の儀」を執りおこない、皇后さまはカイコに桑の葉を与える「給桑(きゅうそう)」や、カイコを繭をつくるための場所に移す「上蔟(じょうぞく)」、産卵させるため繭からカイコガが出やすいようにする「繭切り」などの作業を行った。天皇陛下や長女愛子さまが作業に加わることもあった。今年は伊勢神宮から繭の「下賜(かし)」の願い出があったため、「小石丸」を増産し、6月中旬に収穫した繭を順次贈った。代替わり後、皇后さまによる養蚕で収穫された繭が贈呈されたのは初めて。(中田絢子)
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