旅行シーズンに乗る機会が増える飛行機ですが、いつも私たちは左側のドアから乗り込んでいることに気づいていましたか?これは、一体なぜなのでしょうか?
■「船文化の名残」から…
世界中で「飛行機は原則的に左側から乗り降りする」ということになっていますが、一体なぜだか分かりますか?元日本航空機長の小林宏之さんに聞きました。
小林さんによりますと、飛行機が左側から乗り降りするのは「船文化の名残」だということです。
航空業界は、長距離移動の大先輩である「船」の文化や仕組みを参考にして築き上げられています。例えば、空の港と書いて「空港」。飛行機は英語で「エアプレーン」ですが、「シップ(船)」と呼ぶこともあります。
さらに「キャプテン」「クルー」「キャビン」などの用語も船と共通しています。
多くのことが船から継承されていく中で、「左側から乗り降りする」という文化も受け継がれてきたのです。
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■「昔の船」の構造に理由が■「昔の船」の構造に理由が
ではなぜ、船は左側から乗り降りするのでしょうか。それは、昔の船のつくりが要因になっています。
日本船舶海洋工学会 海洋教育推進委員会によりますと、「昔の船はかじが右側後方部に付いていたから」です。
右側にかじが付いているのに右側から接岸してしまうと、かじが壊れてしまう恐れがあったためです。そのため、左側に接岸して、人も左側から乗り降りするようになったのです。世界中の港も左側に接岸しやすいように建設されていて、船の業界では「左側接岸」が一般的になっています。
この「左側接岸」が、飛行機にも引き継がれました。
世界中の空港が、左側から乗り降りしやすいつくりになっています。ただ、飛行機をよく見ると、右側にもドアが付いています。これは、何に使っているのでしょうか?
小林さんによりますと「右側のドアは、機内食など物資の運搬や清掃スタッフの出入りに使用している。滑走路の特別な事情や緊急脱出などが無い限りは、乗客が右側のドアを利用することはない」とのことでした。(スーパーJチャンネル「なるほど!ハテナ」2024年7月22日放送)
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