東海道新幹線が運転見合わせ、再開は夜以降　保守車脱線

22日午前3時40分ごろ、東海道新幹線の豊橋―三河安城間で保守用車同士が衝突し、脱線した。東海道新幹線は同日の始発から一部の列車を除いて運転を見合わせた。JR東海によると、復旧作業は午後7時ごろまでかかり、運転再開は同日夜以降になる見通し。

JR東海によると、衝突があったのは愛知県蒲郡市内の上り区間。線路に敷くための石を積んだ保守用車と石をならすための別の保守用車が衝突し、いずれも脱線した。

脱線した保守用車の運び出しに時間がかかり、東海道新幹線は始発から東京―名古屋間で運転を見合わせた。その後、運転見合わせの区間は名古屋―浜松間に縮小した。22日午後4時時点で、車両を搬送する台車に載せる作業を終えた。

衝突によって作業員2人が負傷した。原因など詳しい状況は調査中という。

JR東海は駅の混雑を防ぐため、運転を見合わせている区間の利用を予定している場合、明日以降への旅程変更の検討や運転再開を待って駅を訪れるよう呼びかけている。

JR西日本によると、山陽新幹線でも運休や遅れの影響が出ている。

駅は通勤客らで混雑

東海道新幹線の運転見合わせを受け、JR東京駅の新幹線改札前は22日午前、大きなスーツケースを持った利用客で混み合った。駅構内は状況を知らせるアナウンスが繰り返し流れ、運転再開の見込みを駅員に問い合わせる人の列ができた。
出張のため午前8時台の新幹線で岡山県に向かう予定だった茨城県の男性会社員（44）は改札前で2時間以上再開を待った。「今日の仕事は全てキャンセルになった」と残念そうに語った。
就職活動のために上京した京都府内の大学院に通う女性（24）は22日夕の新幹線で京都に戻る予定だったが、午前中に東京駅を訪れて運行状況を確かめた。「明日大学に行く必要がある。遅れないか心配」と話した。
保守用車同士が衝突し、脱線した愛知県蒲郡市内の現場では作業員がロープなどを使って復旧作業にあたった。