東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)の使用済み核燃料を青森県むつ市の中間貯蔵施設へ搬入する計画を巡り、新潟県などの市民団体が19日、計画の中止を求める要望書を東京電力に提出した。

◆青森県むつ市の中間貯蔵施設へ搬入計画を巡り

 「原子力規制を監視する市民の会」など3団体の呼びかけに65団体が賛同し、8675筆の署名が集まった。要望書では、中間貯蔵施設で保管した後の搬出先がないにもかかわらず、使用済み核燃料を運び入れることは無責任だと指摘。団体メンバーが署名とともに東京電力の担当者に手渡した。

東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を、中間貯蔵施設へ搬入しないよう訴える市民団体のメンバーら=19日、東京都千代田区で

 中間貯蔵施設は、東京電力などが出資する「リサイクル燃料貯蔵」が運営する。東京電力の計画によると、9月までに4号機の使用済み核燃料69体を入れた金属製の容器1基を運び入れる。  柏崎刈羽の使用済み核燃料プールは空きが少なく、核燃料を装塡(そうてん)した7号機の貯蔵率は6月末現在で97%に上る。このため東京電力は、再稼働に向けて別の号機のプールに移す方針を示している。新潟市の本間永子さん(74)は「原発事故が起きれば避難は不可能。むつ市の施設に搬入してでも再稼働したいという姑息(こそく)な考えは認められない」と訴えた。(渡辺聖子) 

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