酪農家が夏の暑さへの対応を進めています。去年の記録的な猛暑で乳牛が死ぬなどして牛乳の生産量が減少。離農する農家も出たことからいま、牛舎ではウシを暑さから守るための対策が打たれています。

【松村道子キャスター】
「新潟市西蒲区の牛舎。午前10時をすぎ、気温30℃を超えてきました。ただ、去年取材をしたときより気温は5℃ほど低く、ウシも餌を食べるなど通常通りの様子を見せています」

去年8月、同じ牛舎では異変が起きていました。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長(去年)】
「この口の開き方、ハァハァ言っている。苦しいんですよね。あとお腹の部分、息が荒い」

この日、牛舎の気温は35℃を超えていたほか、去年8月は夜中に気温が25℃を下回らない熱帯夜が続き、ウシは体力を消耗。食欲も落ちた結果、去年、県内では57頭の乳牛が死にました。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「2頭うちも死んだ。(Q.ウシが死ぬということは?)それは一番、うちにとって残念なこと。日頃ずっと飼っている。生きているものだから」

円安による飼料価格の高騰などで経費が増える中、生きているウシの乳量も減ったことで、さらに経営を圧迫。この1年で県内の7軒の酪農家が廃業しました。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「こういうときにどう対応していくか、新潟県みんなでやろうと始まっている」

その取り組みの一つが…新しい「ミストの噴射システム」の導入です。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「(Q.去年とはどう違う?)すべて新しいノズルになったので精度も上がっている」

さらに、外気が事前に設定した温度に達すると自動でミストが噴射されるようになりました。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「普段ずっと牛舎にいなくてもいい。ウシの状態を見なくても、これでおおよそのカバーはできると思う」

【松村道子キャスター】
「もう一つ導入されたのが換気扇の上部にある帽子のつばのような部品。これがあることで、より効率的に牛に風やミストを届けることができます」

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「風がまっすぐ吹く。今までより1.5倍くらい効果があると言われている」

新しい機材の導入には220万円ほどかかりましたが、半分ほどは国や県の補助金で賄うことができました。

【北陸酪農業協同組合連合会 藤田毅 代表理事会長】
「この結果がちゃんと出ることを期待している」

牛乳の安定供給を目指し、この夏も予想される猛暑に対応していきます。

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