神戸大学医学部附属病院腎臓内科の藤井秀毅 准教授によりますと、小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取し、3月以降、医療機関を受診して健康被害が疑われる患者が、神戸大学と県内の関連病院の合わせて4つの病院で5人いたということです。

患者は50代と60代の男女5人で、いずれも自覚症状はありませんが、このうち3人は詳しい検査や経過観察のため一時、入院したということです。

藤井准教授によりますと、5人とも腎臓の機能に異常が起きていて、体内のカリウムが通常より少なかったり、尿の中に糖やたんぱく質が含まれたりしていました。

一度作られた尿のもととなる液体から必要な栄養素などを再吸収する「尿細管」という部分に障害が起きたとみられるということです。

このうち60代の女性患者は、腎機能をはかる「GFR」という指標が一時、正常値の半分以下となり、今も完全には回復しておらず、外来で経過を観察しているということです。

藤井准教授は「紅麹のサプリメントが関係していることは間違いないと考えている。どんな物質が影響しているかはまだ分からないが、2年近く摂取した人も、1か月だけの人も障害が出ている」と指摘しています。

そして、腎臓の病気はかなり重くならないと自覚症状が出ないと指摘した上で、問題のサプリメントを摂取していた人は、症状がなくても不安があれば早い段階で医療機関を受診し、検査を受けるよう呼びかけています。

また、一般的なサプリメントについても、病気で治療薬を服用している場合は薬との相互作用などもあるため摂取する前に医師に相談することが大事で、健康な人も必要性があるかなどを慎重に検討する必要があると指摘しています。

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