気象庁が18日、関東甲信と東海地方の梅雨明けを発表しました。いずれも平年より1日早い梅雨明けです。今年は梅雨入りが遅れた結果、平年より2週間ほど梅雨の期間が短くなりました。消費の現場に異変が起きています。
■富良野で30℃超え 今年1番の暑さに
気象庁は18日、関東甲信地方の梅雨明けを発表しました。神奈川県茅ケ崎市の海水浴場には早速、海水浴を楽しむ人の姿がありました。
川崎大師では夏の風物詩、日本最大級の風鈴市が開催されました。涼しげな風鈴の音色がしばしの間、暑さを忘れさせてくれます。同じく18日、梅雨明けした東海地方。静岡県焼津市の海岸では、梅雨明けにあわせるかのように海開きが行われました。
海水浴客「冷たくて気持ちよくて、これからやっと夏が始まる」
梅雨がない北海道でも、厳しい暑さとなりました。
雄大な自然が広がる富良野。平年この時期は30℃を超えない富良野に異変が起きています。
色とりどりのラベンダーが広がる富良野の農場。18日は最高気温が34℃を超え、今年1番の暑さとなりました。 東京からの観光客「涼しいと思って東京から旅行で来たんですけど、しっかり暑かったです」 大阪からの観光客
「景色はきれいだなと思って堪能している。ただ、いかんせん暑い」
梅雨が明け、暑さが増してくると心配されるのが熱中症です。
18日、240年以上の歴史を持つ提灯祭りが行われた埼玉県久喜市では、お祭りとは別の場所で熱中症とみられる人が搬送されました。18日は、西日本でも厳しい暑さとなりました。
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■浴衣姿の外国人観光客「体中が汗だく」■浴衣姿の外国人観光客「体中が汗だく」
梅雨明けの発表がなかった近畿地方。京都は18日、最高気温36℃の猛暑日となりました。
石畳が続く産寧坂(三年坂)では、観光客に強烈な日差しが降り注ぎます。午前11時半ごろの産寧坂をサーモカメラで見てみると、地面もかなり熱を持っています。写真を撮っている人の頭の部分は、かなり温度が高くなっていて白くなっていました。厳しい暑さの中、清水寺周辺には大勢の外国人観光客の姿がありました。左手に飲み物、右手で扇子をあおぐ人もいます。
木陰では、多くの人が暑さをしのいでいました。
外国人観光客の中で目立つのは、浴衣を着た人たちです。
アメリカから初めて日本に来た観光客「日本の文化に浸るなら着物だと思って着てみたの」
「暑いけど浴衣は風が通るからとても気持ちいいよ」
スペインから来た親子も浴衣姿。着心地を聞いてみると…。
スペインからの観光客「帯をしているので、このあたりが暑い。頭はそんなに汗かいていないけど、体中がもう汗だくです」
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■注文殺到で…フローズンなのに「凍る間ない」■注文殺到で…フローズンなのに「凍る間ない」
清水寺近くの土産物店のジューススタンドでは、連日の暑さにてんてこ舞い。
おのみやす本舗 清水店杉野恵美子さん
「冷たいものは全般によく出ます。『フローズンシャーベット』なんか凍る間がないの。これシャーベットにして売ってるんだけど、それができるまでに売れてしまう」
本来は100%ジュースを凍らせて販売するフローズンシャーベット。しかし、あまりにも注文する客が多く、凍らせる時間がないといいます。
「凍っていないジュースの状態でもいいから売ってほしい」という客が相次いでいるといいます。
ソフトクリームも飛ぶように売れ、固まるまで待ってもらうこともあるといいます。 杉野さん「(Q.みなさんにとって、この暑さは?)殺人的です」
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■夏の時期…スーパーでは何が売れ、売れなくなる?■夏の時期…スーパーでは何が売れ、売れなくなる?
梅雨が明け、これから夏本番。この暑い時期、スーパーでは何が売れ、何が売れなくなるのでしょうか?
店頭から店内までずらりと並ぶ新鮮野菜。安さも人気の理由で、18日は特売品の玉ねぎが1玉31円(税込み)でした。
スーパーイズミ 五味衛社長「夏バテをしないために、栄養のある夏野菜が非常に良く売れる」 暑い時期、例年通り売れているのが旬の夏野菜です。特に安いズッキーニや栄養価の高いモロヘイヤなどが売れているといいます。 五味社長
「モロヘイヤは夏野菜。例年以上に売れている。理由は栄養が良い。非常に売れているのは、ズッキーニがよく売れてますね」 買い物客
「めちゃくちゃ夏野菜買っている。旬なのでおいしいかなと思います。さっぱりしたものは食べたくなるので買ってる」 さらに今年特に売り上げを伸ばしているという商品が「長イモ」です。今年はこの時期の価格としては例年より2割ほど高いそうですが、売れ行きは好調だといいます。 五味社長
「長イモはスタミナ。夏バテをしないような形で使っているのかなとは思う」
「長イモは暑くなってくると、みんな身体を思う気持ちというか意外と売れる」 買い物客
「(長イモは)すりおろして、おそばに混ぜるか、生ですよ」
今年の暑さで出来が良く売れてる夏野菜は…。
五味社長「トウモロコシ。今年は味が良い、おいしい。暑さとそこそこの雨が降って、非常に大きいのができた」
一方、この時期売り上げが落ちる商品もあるといいます。
五味社長「ダイコンやカブは、夏はあまり売れない。ダイコンは煮て食べたりする。普段の3分の1ぐらいに減っちゃいます。(ダイコンは)夏に合う素材じゃない」
暑い今年は、特に売れなくなっているものがあります。
五味社長「卵は暑くなってくると、生で食べるのにちょっと不安感があるので控える人が多くなってくる」
餌(えさ)代や輸送コストなどの高騰で、卵の価格自体が3割ほど高くなっている影響も大きいといいます。
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■人気パン店は一工夫「冷やしてもおいしく」■人気パン店は一工夫「冷やしてもおいしく」
200℃のオーブンからの熱気で汗が噴き出します。
東京・目黒区の手作りパンの店「ハセパン」。総菜パンや菓子パンなど50種類以上のパンが店内にずらりと並ぶ人気店ですが、この時期は…。 ハセパン 長谷川弘信店長「パンの売り上げは暑い時は落ちます。冷たいもの、のど越しがいいものに暑いと行ってしまうので、夏場はやっぱり少し落ちますね」
夏場の暑さでこの時期、店の売り上げは10%ほど落ち込むそうです。
街の人(10代)「(パンは)パサパサする。(夏は)パンより麺の方が。冷たいものが食べたい」
そんな中、少しでもパンを食べてもらおうと、冷やしてもおいしく食べられるパンを並べています。
長谷川店長「冷たくても売れるようなパンを作ったりしています。例えば、このリンゴのクリーム、これを冷たくして売ったり」
暑さに負けず、なんとか客を呼び込もうと工夫を続けています。
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■不動産業界にも暑さの影響が…■不動産業界にも暑さの影響が…
また、こんなところにも影響が出ています。
株式会社東宝ハウス新小岩 八山優太さん「日当たりがいい物件なので、余計に暖かくなっていますね」 暑さの影響を大きく受けるという不動産業界。内見で部屋を案内する際、苦労が絶えないといいます。 八山さん
「(Q.この時期のお客さん、暑さはどのようにおっしゃいます?)やっぱりみなさん締め切ったところに入るので、『暑いですね』ってビックリされるケースが多くて」 到着直後、手元の温度計は36.1℃。サーモカメラで見ると、部屋の最も暑い部分はおよそ40℃、真っ赤な表示になっています。 案内をする際は窓を開けて換気しなければならないといいます。
また、少しでも暑さを和らげようと、こんな対策も行っています。
暑さ対策(2) 八山さん「うちわと涼しくなるスプレーです。あと凍らせた飲み物を」
「涼しい季節だと1時間前後、詳しいお話をすることも多いんですけど。この季節は10分から15分で中を見て、詳しい話は店舗ですることが多い」
「(Q.じゃないとやっぱり危険?)危険です。熱中症になっちゃいます」 複数の不動産会社によると、暑さで内見に訪れる人が少なくなり、この時期は成約数が減るといいます。
平年より期間が短かった梅雨、そして本格化した暑さに悲喜こもごも。
今年の夏は例年よりも暑いと言われる中、経済にはどのような影響があるのでしょうか。
第一生命経済研究所 永濱利廣さん「梅雨が短くなれば、それだけ外出がしやすくなりますから、それを通じて個人消費を押し上げる効果が期待できます。旅行ですとかレジャー関連、暑さをしのぐためのエアコンですとか、熱中症対策の飲料とかアイスクリーム。そういう傾向がより強く今年は出るんじゃないかなと」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月19日放送分より)
テレ朝天気 この記事の写真を見る鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。