石川県能登町の能登半島地震で被災した家屋から見つかった犬養毅の書=9日、能登町立美術館

 能登半島地震で被災した家屋で見つかった歴史資料を守る「文化財レスキュー」で運び出した資料の展示会が、石川県能登町の能登町立美術館で開かれている。江戸時代の文書や仏像など能登地方の歴史を知ることができる貴重な12点が並ぶ。町の担当者は「地元を誇りに思う機会になればうれしい」と話している。

 能登町は、石川県や国立文化財機構文化財防災センター(奈良市)などと協力し、被災住宅を解体する前に、文書や仏像などを搬出している。今回の展示品は、いずれも町が所有者から預かっているものだ。

 展示品の一つ「阿弥陀如来立像」は、津波で浸水した住宅で見つかった。高さ約50センチで、江戸時代初期―中期の作。砂が付着し、台座や後光を表現する「光背」が損傷していたが、新潟県の修復師に応急処置を依頼し、復元した。

 加賀藩に納める年貢について記した文書や、地元の寺が発行した通行手形など、江戸時代の史料も展示している。五・一五事件で暗殺された犬養毅首相の書も発見された。

 展示会は9月29日まで開催。入場料は大人330円。

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