通行止めが解除され、のと里山空港インターチェンジへ入っていく車(17日、石川県輪島市)=共同

能登半島地震で大規模な土砂崩落などの被害を受けた石川県の高速道路「のと里山海道」と能越自動車道は17日、全線で通行止めが解除された。

特に被害が大きい区間で一方通行としていたが、国土交通省が工事を進め、約半年ぶりにほぼ全区間で対面通行が可能になった。

半島の大動脈が通じることで家屋解体業者らのアクセスが向上し、復旧のスピードアップが期待される。利用者からは歓迎の声が上がった。

大規模な土砂崩れがあった能登大橋(石川県穴水町)付近は当面、片側交互通行となる。国交省は復旧工事を急ぎ、9月中に対面通行を可能にするとしている。

被災地のインフラ復旧は道半ばで、全半壊となった住宅の公費解体も進んでいない。対面通行が可能となり、建設業者やボランティア、被災地から離れた広域避難者らが往来しやすくなる。

能登半島の高速道路は徳田大津インターチェンジ(IC)―のと里山空港ICの33キロで、南向きの通行止めが続いていた。

のと里山海道は石川県が管理しているが、被害が大きいため国交省が復旧を代行。崩落箇所で迂回路を造るなどの応急復旧がほぼ完了した。ただ、急勾配の区間が残るなどしており、本格復旧時期は未定だ。

珠洲市の友人を訪ねた帰りだという小松市の山本勇さんは「ひとまず通れるようになって良かった。支援活動もよりスムーズにできるのでは」と話した。

仕事で週に4、5回利用するかほく市の50代男性は、路面の段差が多いため「なかなかスピードが出せない。もっとなだらかになれば」と求めた。

一方、半島内の一般道は不通箇所が各地に残る。石川県によると、県が管理する道路の通行止めは最大で87カ所に上り、17日時点で40カ所が解除できていない。県はのり面補強などを急ぎ、8月末までに20カ所程度を通行可能にする方針だ。

能登半島地震では能越道など半島部の主要道路が通れず、初動対応が難航。通行可能なルートに車両が集中して大渋滞が発生し、石川県が一時、能登半島へ行かないよう訴える事態になった。〔共同〕

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