障害者らに不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とし、国の賠償責任を認めた最高裁判決を受け、東京訴訟の原告北三郎さん(81)=仮名=が15日、故郷の仙台市の墓地を訪れ、両親の墓に手を合わせた。「国に勝ったよ」。涙を流しながら、心の中で伝えた。
セミの鳴き声が聞こえる緑豊かな墓地。北さんは、墓前でこうべを垂れた。手で口元を覆っておえつし「つらかった」と漏らした。
問題行動があるとして仙台市の児童福祉施設に入所させられ、14歳の時、手術を強いられた。折り合いが悪かった親のせいだと考えた。恨んだまま、親は世を去った。
「誰にも言えず、心にしまった」。妻にも亡くなる直前まで打ち明けられなかった。そのことを親族になじられ、土下座したこともある。訴訟を契機に「悪いのは国だった」と気付き、親や妻のために闘った。今月3日、最高裁で勝訴した。
日弁連と全国各地の弁護士会は16日午前10時~午後4時に全国一斉相談会を開く。統一ダイヤルは0570(07)0016。17日には、北さんら原告と岸田文雄首相が面会する。
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