日本大の重量挙げ部の幹部が、部員から不正に入学金や授業料を徴収して流用していた問題で、大学が刑事告発などの法的手段を検討していることが13日、大学広報部への取材で分かった。別事件の調査を端緒に発覚に至ったことも判明。流用された総額などを調査している。付属病院を巡る背任事件やアメリカンフットボール部の「悪質タックル」問題、違法薬物事件を受けて改革を進める中、新たな不祥事が表面化した。
日本大によると、昨年までの10年間にわたり、部幹部の指示で入学金・授業料の一部または全部を免除されている奨学生の部員から全額を徴収。幹部が免除額相当分の多くを私的に使っていた。大学は法的な手続きを「視野に入れている」と回答。流用した金額の合計について「幹部に対して個別具体的な説明を求めているところ」とした。
部員の被害回復に向けた手続きを開始しており、調査は継続する。幹部が学内で保管していた現金は既に大学に返還された。
問題の発覚は部員や保護者からの告発ではなく「別事件の調査や不正事案洗い出しのための特別調査委員会の調査報告など、複数の経路から得られた情報を積み重ねた結果」と明らかにした。
入部者は例年「十数人で、そのうち奨学生は3〜5人」という。幹部は入部予定の奨学生の保護者に対し、入学金・授業料の免除は「2年目から」などとする虚偽の入学案内や請求書を送付。入部金と同時に、本来免除されるべき入学金・授業料を部の口座に振り込ませる悪質な手口だった。
重量挙げ部は五輪選手を輩出している強豪。部員が被害者であることを考慮し、部の活動は継続する。〔共同〕
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