今週、山開きした富士山の静岡県側では遭難事故が相次ぎ、わずか2日間で3人が死亡しました。12日も強風が吹き荒れるなか、頂上を目指す登山客が相次ぎました。
■「命の危険を感じた」登山道に激しい雨風
強い雨と風に見舞われた、12日の富士山は数メートル先も真っ白で見えづらいほどの悪天候でした。途中で下山する人の姿も多く見られました。
7合目で断念した人「視界はもう全然見えないです。本当に飛ばされるくらい風が強かったので危ないと思います」 途中で断念した登山客
「トライしたんですけど、体感風速200メートルくらい吹いていて断念して帰ります」
12日午後2時すぎの山頂の風速は16.3メートルで、登山道にも激しい雨風が吹き荒れました。
9合目では山岳救助隊により、頂上への登山をやめるよう呼び掛けが行われたといいます。
途中で断念した登山客「このままでは滑落する危険性があると思った。完全に命の危険を感じました」
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■荒天でも強行登山 危険な軽装も■荒天でも強行登山 危険な軽装も
10日に山開きを迎えた富士山の静岡県側。しかし、その初日に登山客の男性1人が亡くなりました。山頂の剣ケ峰付近で滑落したとみられます。 救助に向かった 植田めぐみさん「写真撮影をされていた方が後ろ向きに滑落されたそうで、断崖絶壁のところから足を踏み外して。AEDも全く反応しない状態」 11日には、富士宮ルートの7合目付近で男性が亡くなるなど、山開きからわずか2日間で合わせて3人が死亡する事態となっています。 入念な準備と、状況に合った的確な判断が求められる富士登山。しかし、12日は悪天候の中でも登山を強行する香港からの団体客が…。 香港からの団体客
「(Q.天気が悪いですが大丈夫ですか?)大丈夫、8合目まで登ります」 富士登山は初めてという中国人の男性2人組。手には、直前に購入したというビニール傘が…。足元を見てみると…。 中国からの留学生
「(Q.この靴は登山用?)別に登山用の靴ではないです。多分、大丈夫だと思う」
「(Q.登るのは怖くない?)全然(怖く)ないです。(山小屋を)予約してあるからもったいない」
「体力に自信があるから大丈夫だと思う」
そう言うと、2人は8合目の山小屋を目指し、登山道へと消えました。
外国人による“軽装登山”は、静岡側で山開きとなった10日にも…。「山に登らないでください」「危険です」と係員が外国人男性に注意しています。
かなり天候が悪化して視界もかなり悪い状況ですが、半袖にジーパン姿の外国人男性が山に入ろうとしています。結局、走って登っていきました。さらに別の場所でも、短パンにスニーカー姿の外国人登山客の姿が見られました。
後を絶たない、軽装備や悪天候の中での富士登山。
暴風雨時の過酷な救助の様子救助要請が増加していることを受け、静岡県警は12日、暴風雨時の過酷な救助の様子をSNSに投稿しました。
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■静岡県側への登山客の集中に懸念■静岡県側への登山客の集中に懸念
さらに懸念されるのが静岡県側への登山客の集中です。 今年から山梨県側の吉田ルートでは事前予約や登山者数の制限、通行料が導入されました。 一方、静岡県側は登山者数の制限も、通行料も導入されていません。そのため、静岡県側に登山者が集中するのではと心配されているのです。 富士登山ナビゲーター 清水直司さん「向こう(山梨県側)は閉鎖になると、(静岡県側が)増えると思う。8月のお盆の時にアジアの人が大挙してやってくるんです。とても不安、心配です」
(「グッド!モーニング」2024年7月13日放送分より)
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