岐阜市の中村征子(いくこ)さん(80)が、23年前から登り始めた同市の金華山(標高329メートル)への登頂が通算8千回に達した。毎日午前4時半にふもとを出発し、約40分かけて頂上を目指してきた。「まだまだ健康寿命を延ばしたい」といい、登頂1万回の目標に向けて登り続ける。
節目となった8千回目の登頂は、80歳の誕生日だった6月25日。頂上では「山友」から祝福され笑顔で記念撮影をした。
金華山は戦国武将の斎藤道三や織田信長が拠点にした岐阜市のシンボルだ。中村さんは、労働組合の連合岐阜に勤務していた57歳の時、「定年退職まで勤め上げるだけでなく、平均寿命までは健康でいたい」と休日を利用し、身近にあった金華山に登り始めた。定年後は、雨の日も雪の日も1年365回、登り続けてきた。
登山道の途中にある3体の地蔵像では、水を交換し、手を合わせて願い事をするのが日課だ。
楽しい登山を心がけている。登りは1人だが、下山をする時は山頂で一緒になった「山友」たちとの会話が弾む。「教科書では学べないことを学ぶことができ、知識の交換の場になっている」と中村さん。
金華山の魅力は、ウグイスの声に迎えられ、真夏のセミの声や鈴虫などの虫の声で季節を感じるところ。それだけでなく、山頂から眺める日の出や眼下に広がる冬場の夜景を見るのは最高の喜びだという。
金華山に登り始めてからは病気とは無縁で、体力も維持している。
中村さんは意気込む。「年齢に関係なく、誰かの励みになればうれしい。80歳で8千回という当初の目標は達成できた。次は1万回を目指して毎日登り続けたい」(松永佳伸)
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