札幌市教育委員会は8日、同市中央区の市立中学校で生徒の個人情報が含まれた資料が流出したことを明らかにした。生徒の氏名とともに学習指導に関する配慮事項が記載された資料が教室内の教卓上に放置され、複数の生徒が閲覧したという。同市では4月に北区の市立中学校でも個人情報を含んだ資料を紛失し、資料とみられる画像がSNSで拡散された問題が起きていた。

  • 不適切表現「先入観持ってしまう」保護者懸念 中学個人情報流出問題

 市教委によると、5月16日に中央区の市立中学校で教卓上に置かれていた資料を複数の生徒が閲覧。教員が生徒の閲覧に気づき資料を回収した。同日中に市教委に流出が報告された。資料はこの学級の複数の生徒について、学習指導に関する配慮事項が氏名とともに記載され、この学級の学年を受け持つ教員間で共有するために作成されたという。

 新学級のために作られた資料で、A4のクリアケースに座席表と別の資料の2枚とともに挟まれ、16日以前から誰でも閲覧できる状態だったという。

 資料は職員室外への持ち出しを禁止され、持ち出すには許可が必要だったが、ルールは守られていなかった。持ち出した教員は「指導の参考にしようとした」という旨の説明をしているという。

 札幌市立中学校では4月にも個人情報の流出事案があり、5月24日に各学校に個人情報の取り扱いの徹底を求める通知を出した。

 資料の内容に不適切な表現があったといい、市教委の担当者は「短い言葉で粗雑な表現、適切でないものもあった」とした。また、「再発防止にむけて情報の管理や表現の仕方について改善をはかるよう指導する」とした。(古畑航希)

4月の個人情報流出、教員と校長を懲戒処分

 札幌市教委は8日、同市北区の市立中学校で生徒の個人情報が含まれた資料を教員が一時紛失し、資料とみられる画像がSNS上に流出した問題で、20代の女性教員を戒告、50代の男性校長を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。処分理由は、女性教員が個人情報の不適切な取り扱い、男性校長は管理監督責任。女性教員よりも校長の処分が重いことについて、市教委の担当者は「実際に紛失した責任もあるが、学校として取り扱いの体制を十分に整備していなかったのが今回の大きな要因」とした。(古畑航希)

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