任期満了に伴う東京都知事選は7日に投開票が行われ、無所属で現職の小池百合子氏(71)が、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、前参院議員の蓮舫氏(56)ら新人55人を破り3選を確実にした。小池氏は自民党の支援を受けつつ、裏金問題を考慮して政党色を薄めた戦略が功を奏した。少子化が進む中、3期目も引き続き、子育て支援策などに力を入れる方針だ。

小池氏は記者団の取材に「東京大改革をバージョンアップする」と、3期目への意欲を語った。

小池氏は、第1子の保育料無償化や無痛分娩(ぶんべん)への補助といった身近な政策を公約に掲げた。0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」や、高校授業料の実質無償化など2期8年の実績もアピール。選挙期間中も公務を続けて現職としての安定感を示そうと努め、無党派層を含め幅広い支持を得た。

選挙戦では、自民、公明両党に加え、国民民主党などが小池氏を実質支援した。ただ、裏金問題で自民への批判がある中、小池氏は政党色を抑えた活動を展開した。

政党の支援を受けなかった石丸氏は、既存政党に対する批判的な立場を強調。連日街頭で演説を続け、無党派層を中心に知名度向上を目指した。

立憲民主、共産、社民各党の支援を受けた蓮舫氏は、小池都政では社会的弱者への支援が不十分だと主張した。また、裏金問題を抱える自民と連携する小池氏を批判。街頭演説では連日、立民、共産の国会議員らから応援を受けたが、及ばなかった。蓮舫氏の敗北は、次期衆院選に向けた野党共闘の在り方に課題を残した。

今回は、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)らを含め、過去最多となる計56人が立候補。事前に48人分を用意したポスター掲示板の枠が足りなくなるなど、一部で混乱が生じた。

東京都知事選で勝利し、花束を手にする小池百合子氏=7日午後、東京都新宿区

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