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 結婚を決めた相手の両親に挨拶する日、突然「実は…」とウソを打ち明けられたら、どうなるだろうか。世間では様々な「経歴詐称」があり、転職の現場で起きるトラブルの原因No.1も、履歴書などに書いてある経歴にウソがあることだという。大きなウソ・小さなウソとレベルの差はあるが、はたしてどこまでなら許せるか。「ABEMA Prime」では、交際していた男性の経歴詐称をきっかけに破局したという女性の体験談とともに、恋愛と経歴の関係を議論した。

■結婚を決めた彼、両親との挨拶直前に「実は聞いてほしいことが…」

 元彼にウソをつかれていたというひなのさん。当時、交際歴は1年で出会いは職場だった。慶應義塾大学中退の管理職で、順調に付き合いを重ねると「私も年齢が結婚適齢期だったので」と、初めて元彼の両親に挨拶をすることになった。ところがいざ実家に着き、挨拶をしようというわずか30分前、「実は聞いてほしい話がある」と切り出され、実際には慶應義塾大学ではなく別の大学を中退していたことを伝えられた。さすがに挨拶をせずに帰るわけにもいかず「すごく動揺した」状態ながら、ひなのさんはその場をやり過ごしたが、驚きと失望の念が消えることはなく「1週間ぐらいモヤモヤした。慶應義塾大学だから好きになったというわけではないんですが…」と一度は許したものの、その後に破局を迎えたという。経歴詐称の理由は、就職活動時になかなか結果が出ず焦っていたということで、職場の他の人も元彼が別の大学中退であることは知らなかった。

■恋愛でウソは当たり前?アンケートでは約3割が「ある」

 あるアンケートによれば、20〜50代の男女に対して「恋人・配偶者にウソをついたことがある」という割合は、未婚・既婚、男性・女性で見ても、30%前後だった。今回の学歴詐称というレベルでなくとも、多かれ少なかれウソをついている人が3人に1人はいるという計算だ。お笑いコンビ・EXITの兼近大樹は「経歴は変えられないもので、強烈な個性でしかない。大事なのは自分がどういう風に生きてきたかをどれだけ相手に伝えられるかだし、単なる詐称をするだけでは人間性がもったいない」とし、自身の過去の経歴についても「汚れた経歴でもダメージジーンズのように見せていくしかない」と伝えた。これには相方のりんたろー。も「正しくあることの重要性を彼から学びました」と話しながら、男女間の関係については「パートナーが僕と出会う前のストーリーを知っておいてほしいと話そうとする。だけど僕が描いているパートナー像とずれるのが嫌で、言わなくていい」と、全てを明かす必要もないと持論を展開した。

■恋人に過去の経歴、話す?話さない?「ちょっと社会が潔癖すぎる」という意見も

 ジャーナリストの堀潤氏は、フランスの名作小説「レ・ミゼラブル」を例に挙げて、今回のテーマについて見解を示した。「(小説は)基本的に経歴を詐称したジャン・バルジャンの話。そこを支えるのは神父さんの寛容さ。ちょっと社会が潔癖すぎますかね」。窃盗により徒刑囚となった主人公が、神父の優しさに触れて改心、偉大な聖人となって生涯を終える愛の物語だが、ジャン・バルジャンは名前も経歴も偽り続けて生きた。ウソをまるで許容せずに悪とする社会の生きづらさに着目した。また小説家・タレントの室井佑月も「(相手のことを)調べたりしちゃダメ。調べていいことなんて一つもない。掘り出しても傷つくのは自分だけ」と、詮索しすぎることにも注意喚起した。

 現在、ひなのさんは別の男性と結婚、過去の経験から「世帯年収1000万円以上のハイスペ婚専門の結婚相談所」を設立。学歴・年収・勤務先などを全て公開するシステムを取っているが「ちょっと見栄を張ったウソというか『俺、料理できるんだよ』ぐらいならいいんじゃないでしょうか」とも語った。
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