44人が死亡した七夕豪雨から7月7日で50年となります。静岡市には被害の大きさを忘れないよう、50年前の七夕豪雨の痕跡を示す表示板があります。発生から半世紀を迎えるのをきっかけに、静岡県は表示板を付け替え新たな世代にも被害の大きさを伝えます。

静岡市清水区の巴川沿い、電柱についているのは…。

池谷庸介 記者:
こちらありましたね、ご覧ください。表示板があるんですけど、「洪水痕跡」と書かれています。昭和49年7月7日とも書かれていますね

50年前の7月7日に起きた七夕豪雨の洪水の高さを示す表示板です。

県内で44人が死亡、約8万棟が浸水被害を受けた七夕豪雨。

静岡市では一晩で508mmという豪雨となり、市内の巴川があふれて27人が死亡、約2万6000棟が浸水しました。

その被害の大きさを伝えようと、県は1985年までに静岡市内113カ所に表示板を設置しました。

清水区の巴川支流の地区は1.5mの高さに表示板が…

しかし…

池谷庸介 記者:
この表示板、やはりかすれてしまっていて遠くから見るとよく分からないようになってしまっています

設置から40年以上が経ち、文字や数字は薄れ存在に気付かない住民も多くいます。

近くに住む86歳の女性は、50年前の七夕豪雨をはっきり覚えています。

女性は近隣の住民を家の2階などに避難させたといいます。

当時被災した近所の女性(86):
(Q.ここの川は当時どれくらい溢れてきた?)お父さんの頭くらい、ここ。こんなもんじゃない。水浸しだから全部。船で消防団が朝食べるものを配って歩いて、2階のベランダから「ちょうだい」と、みんなが手を出してパンをもらった。(表示板が)これじゃ目立たないからね。だから、あったって話を聞くくらいなもんでね、わかんないじゃない。新しくなれば知らない人は知るようになるでしょ

こうした状況や発生から50年となることを受け、県は表示板の付け替えを決めました。

道路の拡張などで撤去されたものもあるため、いくつ残っているか現状把握から始め、2025年3月までの更新を目指します。

県静岡土木事務所 河川改良課・望月一弘 課長:
自分の住んでいる所が、「過去にこういう被害があった」という水害リスクを認識して頂くことで、避難行動の一歩になって頂けると考えております

雨の降り方や雨量が激甚化するなか、災害の危険性は増しつつあります。

過去の教訓が水害への意識を高めることにつながるはずです。

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