能登半島地震で被災し休館していた「のとじま水族館」(石川県七尾市)が20日、営業を再開する。飼育設備の修繕が進み、イルカやアシカなど一部を除いて避難先の施設から生き物を戻すめどが立った。再開当日は能登地方の子どもを招いたセレモニーも予定する。県が3日に発表した。

のとじま水族館=2024年2月、石川県七尾市能登島曲町で

◆4000個体の生き物が死に、63個体は全国に避難

 地震で本館の天井が落下したほか、水温を調整するボイラーや循環ポンプ、配管などが破損。目玉のジンベエザメが泳ぐ巨大水槽は漏水で水位が半分以下になり、2頭のジンベエザメを含む約4000個体が死んだ。大型哺乳類など9種63個体は全国各地に避難させた。  同館によると、避難先からの移送は4日から順次始まる。生き物のうち、夏場の暑さに弱いイルカや羽の生え替わる時期で餌を食べない一部のペンギン、獣舎の復旧にめどが立たないアシカは秋以降を予定しており、今回の再開には間に合わない。ジンベエザメは、新たな個体が確保された場合に限って展示される。

◆クラファンで3138万円集まる

 入館料は当面、高校生以上は通常の半額近い1000円で、中学生以下は無料。夏休みに合わせ、9月1日までの週末には屋台村の設置やミニコンサートなどが開催される。「ポケットモンスター」のステッカーをもらえるスタンプラリーや、キャラクターと写真を撮れるパネルも登場する。  再開に向けては、同館が加盟する日本水族館協会がクラウドファンディングを呼びかけ、目標を上回る3138万円が集まった。担当者は「応援メッセージももらい、勇気づけられた。能登地方が復興していく一つのシンボルになれたら」と話した。(河野晴気) 

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