40年にわたって1万円札の「顔」を務めた福沢諭吉は、渋沢栄一とその役を交代することになった。福沢が少年時代を過ごし、「諭吉の古里」をアピールしてきた大分県中津市では3日、福沢への感謝の思いを込め、遺品などを展示する「福沢記念館」と旧居が無料開放された。館長の泉史朗さん(65)は「肖像交代は残念だが、福沢先生の偉業が変わるわけではない。業績の顕彰を続けていきたい」と話す。
肖像交代に合わせ、中津市は「不滅の福沢プロジェクト」と名付けた事業を展開。JR中津駅に福沢の1万円札をデザインした巨大なモザイクタイルアートを設置したほか、福沢の生涯を描く市民ミュージカルを10月に上演する。これからも福沢の功績を後世に伝え、故郷の中津を全国に発信していきたい考えだ。
中津市歴史博物館の学芸員、松岡李奈さん(32)は、福沢が創設した慶応大の卒業生。「さびしい気持ちはあるけれど……」と漏らしつつ、「肖像交代をきっかけとして、福沢先生の業績をもっと多くの人に知ってもらいたい」と前向きに話す。(貞松慎二郎)
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