能登半島地震で被災し、日常の生活が戻らない被災地の子どもたち。災害復興で後回しにされがちな遊びや家族旅行の機会を、能登半島で暮らす子育て家庭に届ける取り組みを、遊びの予約サイト「アソビュー!」と、被災地で支援に取り組む教育NPO「カタリバ」(東京都)が進めている。

 元日に発生した地震から半年、被災地では仮設住宅の建設や道路などインフラの復旧が進む中、「子どもたちの遊び場や遊べる機会への支援は、後回しになっている」とカタリバ代表理事の今村久美さんは指摘する。「子どもたちが部活をしていた校庭は仮設住宅が軒並み建ってしまったし、遊んでいた公園は施設が壊れたままで安全ではない」という。

 アソビュー!とカタリバが4月に実施した被災地の家庭を対象にしたインターネット調査(154人が回答)では、約9割が「(震災後に)外出・お出かけの機会が減った(なくなった)」と回答している。被害を受けた住宅の修理や片付けで時間的な余裕が無いことに加え、被災による経済的なダメージが原因と見られる。

 アソビュー!を運営する「アソビュー」(本社・東京)CEOの山野智久さんは「子どものころの遊びや家族旅行、修学旅行の経験は、大人になったときに社会人として活躍できるかどうかにも影響してくる。被災地の子どもたちが、遊びの体験格差に陥らないための支援は大切だと考えている」と話す。

 被災地の子どもたちに遊びの機会を届ける取り組みは、アソビュー!のサイトで支援を募り、被災地に暮らす子どもを持つ家庭に、アソビュー!で使えるポイントを1家庭1万円分、合計300世帯に提供などを予定。ポイントは、アソビュー!に掲載されている全国約1万の施設で使うことができる。支援金受付は7月5日までで、アソビュー!のホームページ(https://www.asoview.com/note/4608/)で寄付できる。

 今村さんは「企業であるアソビューが先頭に立って、子どもたちの日常を取り戻す復旧支援に取り組む意義は大きい。気軽にできる被災地支援として、ぜひ協力してもらえれば」と話している。(鈴木裕)

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