平城京から出土し、大嘗祭に関連する品目が記されていることが確認された木簡(2日、奈良市)=共同

724年の聖武天皇即位時の代替わり式「大嘗祭」に関連する木簡が出土した平城京左京三条一坊二坪(奈良市)で、さらに「烏賊(いか)」「鰒(あわび)」「梨」などの品目を記した1500点以上の木簡が確認され、奈良文化財研究所が2日、発表した。

10世紀(平安時代)の法令集「延喜式」で定められた貢納品と同じ品目が多い。延喜式の記載は、延喜年間(901〜923年)以前に成立したが、今回の発見で大嘗祭用の貢納品目の規定は8世紀前半にまでさかのぼる可能性を示しているという。

出土木簡は計2600点に上った。土ごと取り上げた遺物はコンテナ250箱分あるが、約6割の洗浄が終わったという。

「酒」と記された木簡(左)(2日、奈良市)=共同

このほかに確認された品物は塩、堅魚、栗、小麦、酒など。発送元は備中国(岡山県)が多いが、郡名の記述から備中国の9郡全てから貢納されていたことが分かった。都城の一つの遺構から一国が所管する全ての郡の荷札がそろうことは異例という。

出土地点は平城宮に近い一等地に当たり、今年3月に「大嘗分」と書かれた木簡を初確認したと発表していた。

同研究所の山本崇・歴史史料研究室長は「備中国からの品物が集中している点は謎だ。9郡全ての荷札がそろっていることから、どのように品物を調達したのかを考える手掛かりになるのでは」と話している。

出土した木簡は10月末から同研究所平城宮跡資料館での展示を予定している。〔共同〕

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