1日に山開きを迎えた富士山。史上初めて登山規制が始まりました。荒れた天気にもかかわらず、タンクトップ姿やスーツケースを持って登山する外国人が見られました。
■山開きの日に…「富士スバルライン」通行止め
1日午前3時に山開きを迎えた富士山。しかし、5合目につながる「富士スバルライン」は台風並みの強い風に見舞われ、通行止めになっていました。多くの登山者が足止めされました。その中には、アメリカから来た親子もいました。
アメリカからの登山者 父「あしたかあさって、サンディエゴに帰るんだ。だから、その前に富士山に登りたい」
富士山に登るチャンスは、きょうしかないといいます。
アメリカからの登山者 息子「ずっと登りたくて、3年前に登る予定だったけど、コロナの影響でダメだったから」 父
「我慢強く待って、富士山へのゲートが開くことを祈ってるよ」 台湾からの登山者
「富士山が開くのをただ待つだけ。きょうが富士山の山開きでしょ?早く起きたよ、午前1時」
午前6時すぎ、富士スバルラインはいまだ通行止めのため、行列になっています。時間を持て余したのでしょうか、ヨガのような体操をしている人たちもいます。
係員「開けていいよ」 父
「ベリーハッピー。エキサイティング。6時間は長かった」
通行止めが解除され、登山者はようやく「富士登山」へ。
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■半袖・半ズボンでスーツケースを引く登山者も■半袖・半ズボンでスーツケースを引く登山者も
登山口のある5合目では、傘が飛ばされるほどの強い雨風に…。しかし、外国人の軽装登山者が続出。3人組の外国人は全員半袖です。 外国人登山者「服はバッグに入っているよ」 指導員
「レインウェアもある?」 外国人登山者
「ああ」 指導員
「これはクライミングシューズじゃないけど大丈夫?」 外国人登山者
「大丈夫だよ」
山頂に行くと気温がマイナスとなり、危険だということを係員が伝えます。ショートパンツの女性は…。
指導員「とっても寒くなるから」 フランスからの登山者
「服はたくさん持ってきている」 指導員
「寒いと感じる前に防寒着を着て」 フランスからの登山者
「もちろん」 登山道でも、中には半袖・半ズボンでスーツケースを引きながら登山する外国人もいました。 外国人登山者
「着替えの服が入っているんだ。替えの靴、それに服もね。全然重くない、軽い」
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■「登山規制」山梨・吉田ルートを事前予約制に■「登山規制」山梨・吉田ルートを事前予約制に
近年、富士山では様々な問題が起こっています。 山梨県知事政策局 岩間勝宏さん「登山道の過度な混雑ですね。この緩和であったり、弾丸登山をまず抑制することが目的となりますので」
去年7月に撮影された映像では、頂上付近まで大行列ができていました。人があふれかえっている状態です。
去年、富士山を訪れた登山者はおよそ22万1000人で前の年の1.4倍。外国人登山者増加による「過度な混雑」や、「ご来光」を目当てに夜通しで頂上を目指す「弾丸登山」が問題になっていました。 警備員「リストバンドをお見せ下さい。いってらっしゃい、お気をつけて」
1日から山梨県は、登山者のおよそ6割が利用する山梨・吉田ルートを事前予約制にしました。一日当たり4000人の入場規制と、一人2000円の通行料を導入しました。
5合目にゲートを設置し、午後4時から午前3時までの間はゲートを閉鎖。24時間体制で警備員が配置されます。
外国人登山者「予約システム、最初はめちゃ混乱していたんですけど。でも、こういった規制がないと、安全性がとれないなと。逆に安心して登れるチャンスになるかなと思っていました」 「登山規制」の新ルールでトラブルも発生。中国から来た4人家族は、予約が必要だと知らなかった様子です。 中国からの観光客
「(Q.帰るんですか?)寒すぎるし、登山道具も防寒着も持ってないから、もう帰るよ。富士山に来た思い出になるよう、写真だけ撮るよ」
1日、ゲート閉鎖となる午後4時の5分前には…。
登山者の男性「(Q.まもなく閉じようとしてる)行った方が良いね」
「(Q.あと5分で閉じちゃいます)行きましょう」
ゲートが閉まる5分前ですが、登山者がギリギリでゲートを通過していきました。
係員「午後4時になりましたので、閉門してください」
8合目に向かう登山道の途中では、岩の間で倒れ込む登山者がいました。
登山靴に、防寒用の登山ウェアを身に着けていますが、救助した山小屋スタッフによると、倒れていたのは外国人で骨折の可能性があるといいます。
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■リベンジ富士登山…ご来光は?■リベンジ富士登山…ご来光は?
愛知県から来た2人組の女性。古賀登紀子さん(49)は去年、6合目で断念。山田尚子さん(55)は初の富士登山です。 2人は7合目まで到着。ひと息つき先に進むと、登山道は登山客で渋滞となっていました。 山田さん「つっちゃうと動けなくなるので、自分のペースで。ここで動けなくなるわけには行かないので」 天気もめまぐるしく変わり、一時“ホワイトアウト”のような霧も…。 午後7時すぎ。2人は真横から吹きつける風に見舞われながら8合目へ。 山田さん
「つらかったです」 古賀さん
「良かった、たどり着けた。なんとか、たどり着けた。良かったです」 山田さん
「みなさまのおかげです」 山田さん&古賀さん
「ありがとうございました」
山小屋で一泊し、翌朝頂上を目指します。
2日午前4時、空がだんだん明るくなっています。 山田さん&古賀さん「すごい、雲海になってる」
そして、2日朝4時34分。2人に待ちに待った瞬間が訪れます。
古賀さん「人生初の瞬間が見られました。見られたっていうのが奇跡だと思います。いつかまた、見に来たいですね」
そして2日午前7時すぎ、ついに…。
山田さん「着きました。ありがとう。ありがとうございました。やりきりました」 古賀さん
「もう、めちゃくちゃうれしいです。人生最高の瞬間」 1日の山頂の気温は、午前11時の時点でも5.8℃。登山時の服装には、十分な注意が必要です。 富士山吉田口旅館組合事務局長 井上義景さん
「山頂ですと、もう2℃、3℃まで下がったりもしますね。暖かい服を持ってこないと、もう寒くて凍えてしまって、ひどいと低体温症になってしまうということになりますね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月2日放送分より)
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