警察庁によると、全国の2024年1月~4月のSNS投資詐欺の認知件数は2508件、被害額は334億3000万円。前年同期比で認知件数は6.7倍、被害額は8.4倍に達した。特にここ数カ月で急増し、3月の被害額は98億1000万円、4月が115億1000万円に達した。
SNS投資詐欺は著名な投資家や有名人の画像を勝手に使って、SNSに投資を勧誘する広告を掲載。これに興味を持って広告をクリックした人に、LINEやインスタグラムなどのメッセージ機能を使って交信を重ね、信用させて出資金などをだまし取る手口の詐欺。最近では1件で1億円を超える被害があった例が報じられるなど、大きな社会問題となっている。
同庁が、ことし4月に認知した808件の事例を分析したところ、被害者の性別は男性50.4%、女性49.6%と割合はほぼ半々。被害者の年齢層は60代が最も多く26.9%。次いで50代24.4%、70代20.5%の順だった。
被害額をみると、「500万円以下」が最も多く44.3%。一方、4割近くが1000万円以上をだまし取られるなど、高額被害に至るケースが目立つ。この4月だけでも被害額1兆円を超す事件が11件も認知されている。
被害者が最初に偽の投資話を知ったきっかけは、「バナー等の広告」が55.8%と最多。次いで「ダイレクトメッセージ」17.1%、「グループ招待」10.5 %の順だった。
詐欺犯人が最初に接近してきたSNSツールは、男性向けが「LINE」「フェィスブック」「インスタグラム」の順で多かった。女性向けは「インスタグラム」がトップで、以下「LINE」「投資のサイト」の順だった。その後は、大多数がLINEで被害者と交信し、偽の投資話を信用させている。最終的に被害者は90.2%が「振込」、7.5%が「暗号資産」を通じて、金銭などを犯人に渡していた。
SNSを通じた詐欺はこのほか、交信を重ねることで被害者に恋愛感情や親近感を抱かせ、最終的に金銭などをだまし取る「SNSロマンス詐欺」がある。警察庁によると、24年1月~4月までの認知件数は832件、被害額は84億1000万円にのぼっている。
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