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大分県別府市で大学生が死亡したひき逃げ事件。

今もなお逃亡を続けているのは、八田與一(はったよいち)容疑者、27歳です。

未解決のまま事件発生から2年、八田容疑者の親友が今回初めてメディアの取材に応じました。

八田與一容疑者の親友)

「ルールを平気で破ってしまうようなところがあった。自分から出頭してほしいです」

サタデーステーションは新たに、親友が撮影した動画や直筆とみられるメモも独自入手。その人物像に迫りました。

庄賀由花ディレクター)

「渋谷駅前です、多くの人が行き交う中、大分県警によって八田容疑者のチラシが配られています」

大分県警)

「指名手配犯探しております。大分県警察です」

29日、東京などで初めて、警視庁も含め被害者遺族・友人らで作る会が情報提供を呼びかけました。

事件早期解決を願う会)

「感触としては(事件を)知っている方半分、知らない方半分という形で。まだ捕まっていないということを訴えたい。明日には明日には(逮捕を)と思いながら2年が経ってしまった。憤りを感じます」

八田容疑者に関する目撃情報は、26日までに関東を中心に5600件を超えていますが、未だ足取りをつかめていません。

■防犯カメラが捉えた事故の瞬間と逃走する姿

2年前のきょう、何が起きたのかー。情報を整理します。事件が起きたのは、大分県・別府市の県道です。

交差点で信号待ちをしていた男子大学生の乗る2台のバイクに、後ろからきた白い軽乗用車が追突。バイクは数十メートル先まで跳ね飛ばされ、1人が死亡、1人がけがをしました。けがをした大学生によると、事件直前、現場近くのショッピングセンターで、亡くなった友人が八田容疑者と短く言葉を交わしていたのを見たといいます。

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けがをした大学生)「(亡くなった友人に)『あれ知り合い?』みたいな感じで聞いた...

けがをした大学生)

「(亡くなった友人に)『あれ知り合い?』みたいな感じで聞いたら『いや別に知らんやつ』と。『(八田容疑者が)音楽を爆音で流しとってなんやこいつと思って見たら、けんかふっかけられた、変なやつ(八田容疑者)に』と言っていた」

友人はすぐに謝ったといいます。しかし…その3分後。

けがをした大学生)

「アクセルをベタ踏みの音がした。回転数がだいぶあがってブーンみたいな。バイクのミラーを見たら、ヘッドライトがすぐ近くに来ていて、まずいと思って。最後(亡くなった友人と)2人目が合ってバーンて」

これまでの捜査で、車は制限速度を大幅に超え、時速100キロ近くでブレーキをかけずに追突したとみられています。八田容疑者は、車内に財布や携帯を残し、逃走。事件発生から10分後、防犯カメラには繁華街を堂々と裸足で歩く姿や、その2分後には後ろを確認する様子も。発生から14分後、海方向に逃走する姿を最後に現在まで行方はわかっていません。

去年9月、八田與一容疑者を道路交通法違反では、全国初となる「重要指名手配」に指定しました。「重要指名手配」とは、凶悪犯罪など、全国の警察をあげて捜査が必要な容疑者を指定することで、現在八田容疑者を含め11人となっています。

およそ50年も逃げ続け死亡した桐島聡容疑者は、神奈川県・藤沢市などに潜伏していました。2年7カ月も逃げ回った市橋達也受刑者は、名古屋で整形をし、大阪や神戸、沖縄県の離島など全国を転々としていました。

では、いま八田容疑者はどこにいるのでしょうか。

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■”逃亡”八田容疑者の特徴は…親友がメディア初証言警察は、八田容疑者の土地勘が...

■”逃亡”八田容疑者の特徴は…親友がメディア初証言

警察は、八田容疑者の土地勘がある場所として、以前住んでいた大分県杵築市など4つの場所を公表しています。

2人で旅行中に八田容疑者を撮影

庄賀由花ディレ クター)

「4つの場所のうちの一つ栃木県日光市です。私たちの取材で日光市は、八田容疑者が働いていたことがわかっています」

サタデーステーションが取材をしたのは、日光市の同じ職場で働き、親しくしていた男性です。親友として『出頭を呼びかけたい』と覚悟を持って応じてくれました。

親友)

「この町は與一と遊んだ町ですね」

庄賀由花ディレクター)

「どういう思い出を思い出しますか?」

親友)

「キャニオニング(沢下り)をしました。もうちょっと奥の方だと思います」「與一が車が好きだったんですけど、僕も車好きだったので意気投合しました」「基本的に優しいです、社交的だし、ぼくが結構與一をおちょくるようなことがあって、だけど與一は何も怒らずただ笑ってくれていて」

親友)

「頻繁にLINEもしていたし、1カ月に1度会っていた時期もあったし、お互いがお互いに感じたこととか何でも打ち明けるような関係性だった」

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実際のラインのやり取りには、仕事に関することや、女性関係などの内容が。さらに突...

実際のラインのやり取りには、仕事に関することや、女性関係などの内容が。

さらに突然送られてきたのは。

「自分の特性」と書かれたメモ。これは、八田容疑者がマッチングアプリをするために自己分析した内容で、本人の筆跡とみられる資料です。

事件以降、容疑者との接点はなく、警察に情報提供もしている親友。取材中、八田容疑者の気になる特徴を明かしました。それは「突発的な行動」です。

親友)

「いきなりホストになって金髪に染めて、いきなり3日くらいでやめたり、いきなり生活保護取ろうって思って、

色々調べてやってみたり、そういう突発的な行動が見られていましたね」

過去にはこんなことも話していました。

「万引きとかしたりして食べていけば。あと置き引きとかっていう、トイレに行くときに荷物置いていきますよね。それをばれないようにいただくという。タダで物が手に入るんですね。スマホとかが手に入る場合もあるんで、やっぱり生活にスマホは必要なんでね」

また別の知人によると…

八田容疑者の知人)

「度が過ぎるとイスを投げたり急にキレていた」

「気が変わりやすい けんかっ早く友人と口論になることも度々」

親友)

「ルールを平気で破ってしまうようなところがあった。スーパー銭湯の貸しタオルをこっそり持ち帰ってしまうとか、

車にわざと当たりにいって保険金をもらったということを聞いた」

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他にも、運転に関する違法行為を聞いていました。親友)「免許が無いにもかかわわら...

他にも、運転に関する違法行為を聞いていました。

親友)

「免許が無いにもかかわわらずバイクを買って、そのバイクで飲酒運転をしたっていうことも聞いたことがありますね」

庄賀由花ディレクター)

「Qそれはもう普通にやっているんですか?」

親友)

「特に罪悪感を感じているような感じではなかったです。」

八田容疑者は、別の事件で監禁罪の有罪判決を受けていました。ひき逃げ事件は執行猶予期間中のことだったのです。

事件の早期解決を目指し戦ってきたのは、被害者遺族・友人らで作る会。

庄賀由花ディレクター)

「一番最新の目撃情報だと?」

事件早期解決を願う会事務局長)

「6月11日が最後、 鹿児島ですね。北海道・東京・大阪・京都・長野・徳島、もうほとんどどの県も。一番関東が多いんですね」

SNSを通して懸命に情報を集めてきました。

庄賀由花ディレクター)

「この2年どうでしたか?」

事件早期解決を願う会事務局長)

「2年を迎えてしまったというもう無念しかないですね。重要指名手配ではあるんですが、まだ救護義務違反(ひき逃げ)という交通課の管轄で、時効も7年。残り5年で時効が来てしまうというところから、これは時効を迎えてはいけない」

きのう、道路交通法違反から時効のない殺人罪への切り替えを求める、およそ7万7000人分の署名を警察に提出しました。警察は、殺人の可能性も視野に捜査しています。

容疑の切り替えについて、元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之氏はー

鳴海達之氏)

「可能性はありますね。殺意というのはその事故の前のトラブルがあった。そのトラブルの内容がどうなのかとか、あるいは八田容疑者の性格的なものはどうなのか。そういった状況的なものも含めて判断されるもの」

八田容疑者はどこに潜伏しているのでしょうか。

親友)

「ルールは平気で破れるし、せこいところがある、そういう面で頭が回る。生命力も強いですし、家を持ってなくても全然生活できる」

親友は、改めて出頭を訴えます。

親友)

「無事であってほしい、自分から出頭してほしいです」

庄賀由花ディレクター)

「八田容疑者にかけたい言葉は?」

親友)

「言うとすれば…僕は心配しているよってことですかね」

亡くなった大学生の母親が私たちの取材に対し、胸中を明かしてくれました。

「何より驚いたのが、こんなに心配してくれる親友がいたことです。それなのにどうしてこんなことができたのか。私たち遺族が少しでも前に進むために、私たちと一緒に捜すこと、出頭するように呼びかけることにご協力お願いいたします」

<取材後記>

遺族や友人らは、前に進むことができない状況の中、本当にさまざまな活動をしている姿に執念を感じました。

亡くなった大学生の母親が私たちに寄せてくれたコメントには、宝物である息子への思い、八田容疑者がなぜ犯罪をおこしたのか、悲痛な思いがつづられていました。

覚悟を持って出頭を呼びかけてくれた親友のように八田容疑者の身近な人の証言がとても重要だと感じました。親友から見た八田容疑者のしぐさの特徴の一つに左手の力が弱いため、物を落とすことがあったそうです。

八田容疑者の色々な特徴をもっと伝えていきたいと思います。今回取材をしていて、この事件を知らない方が多かったので、もっともっと知ってもらいたいと感じました。

(テレビ朝日 サタデーステーション ディレクター 庄賀由花)

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