おととし6月29日、別府市の県道の交差点で大学生2人が車にはねられ、このうち、当時19歳の大学生が死亡したひき逃げ事件では、八田與一容疑者(27)が全国の警察を挙げて捜査する「重要指名手配」に、ひき逃げの容疑者としては初めて指定されました。

先月末までにおよそ5500件の情報が寄せられましたが、有力な手がかりは得られていないということで、警察は29日、大分だけではなく東京や大阪、それに福岡で、容疑者の現在の姿を想定した似顔絵を載せたチラシを配り、情報の提供を呼びかけました。

福岡市のJR博多駅前では午後1時から、警察官や遺族の支援団体のメンバーなど合わせて16人が、行き交う人たちに声をかけながらチラシを配っていました。

大分県警察本部交通指導課の山下基成次席は、「容疑者は皆さんの近くで普通に生活をしているかもしれません。検挙するためには目撃情報が必要ですので、似ている人を見かけたらためらわずに通報してください」と話していました。

情報提供の連絡先は別府警察署で、電話番号は0977-21-2131です。

遺族「事件の早期解決を望みます」

この事件で大学生の息子を亡くした母親は、事件の発生から2年となる今の心境について「息子が突然目の前からいなくなり、いつまでも犯人が捕まらないという信じがたい現実。いつ捕まるのか、捕まるかどうかもわからない不安に加え、迫りくるあと5年という時効の壁。いったいいつまで私たちは追い続けるのだろう。全国での全力捜査、事件の早期解決を望みます」とコメントしています。

捜査関係者によりますと八田與一容疑者は、事件直前に亡くなった大学生に言いがかりをつけているところを目撃されているほか、時速100キロ近くのスピードでブレーキをかけずに車ではねたとみられるということです。

遺族は、意図的に車ではねた可能性があると主張し、容疑を「ひき逃げ」から時効のない「殺人」に変更するよう求めていて、28日、容疑の変更に賛同するおよそ7万7500人分の署名を警察に提出しました。

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