過去最多の56人が立候補してポスター掲示板が足りなくなった東京都知事選では、政見放送も通常のニュース番組を圧迫する事態になっている。候補者の大半が放送を希望し、放送時間はNHK総合テレビだけで計約11時間。前回2020年の都知事選の3倍近い長さになるという。  政見放送は衆参議員と知事の選挙が対象で、都知事選の候補者1人の持ち時間はテレビ・ラジオともに5分30秒。テレビはNHK総合と東京MX、ラジオはNHK第1とTBSラジオで放送される。

◆前回の選挙時は4時間18分…今回は11時間

 NHK総合では24日に放送が始まった。来月4日まで朝と夜の2回に分けて計51人分を放送する予定(6月29、30日は休み)。放送を希望しなかった5人は経歴のみ放送する。都選管資料から計算すると放送時間は計10時間46分となる。NHKによれば、候補者22人中20人の政見放送を行った前回選は計4時間18分。これを大幅に上回る見込みだ。  NHKの広報担当者は取材に「総合テレビの午前6時台で『おはよう日本』を短縮。午後11時台も、予定していた番組を取りやめるなどして対応した」と回答。影響は都内のみならず関東1都6県に及んだ。28日から放送する東京MXも、一部の放送を中止・延期して調整したという。

◆真剣な表情で訴えかける候補者だけでなく…

 NHK総合では28日朝に放送が一巡し、同日夜から2巡目に入る。真剣な表情で政策を訴える候補者だけでなく、マスクをかぶる、カメラに近づき高笑いするなど、強烈な印象を与える候補者もいる。(山下葉月) 

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